頭の中の花畑。

□新堂カイト〜短編集〜
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ハロウィン
〜付き合っている設定です。〜


「おい、まどか。今日がなんの日か分かってんだろーな?」
悪戯っぽく笑うカイトさん。
「わかってますよ!ハロウィンですよね?」
「ふーん、持ってきたお菓子出しな。貰っといてやっから。
まあ、お菓子用意してねぇならお前で遊ぶだけだから俺はどっちでもいーけどな。」
“それともあんなことやこんなことされてぇか?”
カイトさんがからかうようにそんなこと言うから私は想像してしまった。
「あんなことや、こんなこと?…」
“ふたりきりであんなことしたりとか。あーでも奴らの前でイチャイチャするのもおもしれぇか。”
などと耳元で呟かれる。
私はみるみる真っ赤になったと思う。
「…ふっ。」
「カイトさん、もうっ、からかわないで下さいっ!」
笑いを堪える様子のないカイトさん。
「ほら、さっさと出せよ。」
カイトさんは手を私の方に伸ばしチョイチョイというような動作をする。
さっさとよこせということだろう。
「そうでした。丁度これ渡しに来たんですよ!」
“はい、これカイトさんの”
そう言って用意していたブランドのチョコレートをカイトさんに渡す。

「ちょっ、おま、これ、開店前から並ばないと買えねぇとこのじゃねぇか。しかもその店でも1番人気な数量限定だっていう伝説のっ!」
…っ!
“俺の好みわかってんじゃねぇか”
と言いながらカイトさんは私の髪を撫でる。そう、陽向くんにやるみたいに。
「ちょっ、カイトさん!褒めてくれるのは嬉しいですけど髪、ぐちゃぐちゃになっちゃいます!」
“うるせぇー。素直に撫でられとけ”
とカイトさん。うぅー…あとで髪、直さなきゃ。

「それと今日は帰さねぇから。
精々覚悟しとけ。」

かああぁっと赤くなる私の顔。

その夜寝かせてもらえなかったのはいうまでもない。

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