伝われ、心。

□出会いました。
2ページ/4ページ


ぺらぺらと環はれうへの賞賛の言葉を並べる。

背が高いだのなんだのと言うが、れうは背は低い。

言っていることは大体適当だった。




「なんなんですか、勧誘なら私以外にいっぱい居ますよね…!」
「君じゃないといけないんだよ立花姫?」
「なんでですか!!大体…ッ、…楽器、とか…やったことないですし、」


ぴくりと環の頬が動いた。
急に明るかった表情は真剣なものに変わる。


「嘘だ」

「は…?」


顎に添えられていた手を離して、ぐいぐいと廊下へれうを引っ張る。

人気のないところに来たところで、環はれうのほうへ振り返る。



「桜小学校吹奏楽部」

「え」


そう言った所でどこからともなく人が来た。

「桜中学校吹奏楽部」
「全国金賞」

まるでドッペルゲンガーが現れたかのように、瓜二つの双子。


「管楽器全国大会では最優秀賞」


メガネをかけた、ファイルを持つ知的な人。


「ヨーロッパ大会で最優秀賞!」
「…審査委員長賞も受賞」


小さくて、うさぎの人形を抱えた男の子と、反対に背の高い男。




「いやあの、何を…」
「立花れう!!君の活躍っぷりは我らが吹奏楽部が全把握している!!!」

「はあ!?」
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ