伝われ、心。
□出会いました。
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ぺらぺらと環はれうへの賞賛の言葉を並べる。
背が高いだのなんだのと言うが、れうは背は低い。
言っていることは大体適当だった。
「なんなんですか、勧誘なら私以外にいっぱい居ますよね…!」
「君じゃないといけないんだよ立花姫?」
「なんでですか!!大体…ッ、…楽器、とか…やったことないですし、」
ぴくりと環の頬が動いた。
急に明るかった表情は真剣なものに変わる。
「嘘だ」
「は…?」
顎に添えられていた手を離して、ぐいぐいと廊下へれうを引っ張る。
人気のないところに来たところで、環はれうのほうへ振り返る。
「桜小学校吹奏楽部」
「え」
そう言った所でどこからともなく人が来た。
「桜中学校吹奏楽部」
「全国金賞」
まるでドッペルゲンガーが現れたかのように、瓜二つの双子。
「管楽器全国大会では最優秀賞」
メガネをかけた、ファイルを持つ知的な人。
「ヨーロッパ大会で最優秀賞!」
「…審査委員長賞も受賞」
小さくて、うさぎの人形を抱えた男の子と、反対に背の高い男。
「いやあの、何を…」
「立花れう!!君の活躍っぷりは我らが吹奏楽部が全把握している!!!」
「はあ!?」