夢小説(イケメン戦国)

□秋の夜中(織田信長)
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「…ふぅ」

縫物の手を止めて、軽く息をつく。

夕げをすませた後、時間をもてあまして縫物を始めたがついつい熱中してしまった。

信長様は、まだお仕事されてるのかな?

縫いかけの着物をそっと置き、ポツンと置かれた脇息を眺める。

お忙しい方だから仕方ないと思っても、淋しさに胸の奥がチリチリする。

「信長様……」

つぶやくように、愛しい人の名前を呼ぶ。

「なんだ?」

ぞくり、とする様な低い声。
同時に、勢い良くふすまが開く。

「戻ったぞ」

「え…!」

思わぬ返事に驚き、振り返る。信長様は力強い足取りで私の目の前に来ると、流れるような所作で腰をおろし脇息にもたれた。

「で、なんだ?」

「…え??」

驚いたままの私を、信長様が見つめる。

「貴様が名を呼んだのであろう?」
くっと呆れたように目を細める。

何気ない仕草なのに胸がキュッとなる。

「最近、ずっとお忙しいようだったので…今夜はお帰りが早くて驚きました」
ドキドキする胸を押さえながら答える。

「仕事は片付いた。今夜は貴様の望む通りにしてやる」
口端を上げ、手招きするかの様に手を動かす。

「…!ほ、ほんとうですかっ?」

私はこみあげる嬉しさを感じながら、信長様の横に移動し、座る。

「信長様、おかえりなさい!嬉しいです!」
満面の笑みで気持ちを伝える。

信長様と一緒にいられる事が何よりも嬉しい。
一度は現代に戻されてしまったけど、信長様のもとに帰ってこれて本当に良かった。

「愛華…」

信長様の大きくて温かい掌が私の頬をするりと撫でる。

心地いい温もりを感じながら、私は目を閉じる。

「信長様、大好きです」

すると、頬にあたる掌がびくりと震え、温もりが去っていく。

温もりを追おうと目を開くと、そのまま手首を捕まれ引っ張られた。

「きゃっ…」

固い胸に倒れ込む様にして、腕の中に一瞬で包まれる。

「貴様は、この俺を煽っているのか?」

顔を上げると、信長様の顔が至近距離にあった。
私の心臓の音が聞こえてしまうかと思う程、高鳴っている。

「愛華、口づけをしろ」

ニヤリとした笑みを浮かべ、私を見下ろす信長様。
その瞳の奥に熱を感じる。

意識すると、身体の奥がじわじわと熱くなる。

「はい、信長様…」

固い胸につかまり、おずおずと唇を寄せる。
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