BOOK

□永遠なんて。
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僕は今まで涼介に尽くしてきた。
だって、誰よりも涼介が素敵だから。

「俺は、このロボットを完成させるんだ...。」

うわごとの様に君は呟くね。

でもね、僕は知ってるよ。
このロボットが完成したら僕は涼介に捨てられちゃうんでしょ?玩具みたいに。

「ね、涼介。」
「なに、侑李。」
「世界が征服できたら、僕たちはどうしようか。」
「勿論、大人の居ない世界を作る。」
「そうだね...」

そんなの無理だよって。
僕たちはいずれ大人になるんだよって。
教えたいよ。
僕が涼介の事が大好きな事だって、いっぱい、いっぱい教えてあげたい。

「ねぇ、僕はまだ可愛い?」
「ん、可愛いよ侑李。」

君は微笑みながら僕にいつもこう言うんだ。


“一ツ、永遠ハ存在シナイ。光クラブモ例外デハナイ。シカシ、唯一ノ光デアル。”

この、復唱の通り。
僕と涼介の関係はもうすぐ崩れちゃうでしょ。
ロボットが出来たら、涼介は僕じゃなくて、綺麗な少女に「可愛いよ」って。

「侑李、おいで。」
「なぁに、涼介。」
「侑李は永遠の美しさ、可愛さの象徴なんだよ。」
「うん?」

ダメだよ。
違反しちゃダメだよ。
永遠はないんでしょ?

「だから、侑李は光クラブの光だよ。」

でもね、僕は涼介に骨抜きだから
涼介の嘘っぱちな甘い言葉に騙されちゃうんだ。

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