薄桜鬼
□序章
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『ねえ、斎藤様?』
「なんだ」
『私たちはどこに行っているのですか?』
「京の都だ」
『京??』
「そうだ」
『京ってあの京ですか!?遠いではございませんか!?』
「嫌なら付いてくるな」
『嫌です。私、行くって決めましたので。それに団子屋で付いてくるなって言われても生きていける自信ないです』
「では文句を言うでない」
『、、、わかりましたぁ。斎藤様たまにすごく冷たい(ボソッ』
「そろそろ行くぞ」
『あ、待ってください。まだ最後のお団子、、って置いてかないでください!待って斎藤様ー!』
京の都ってどんなとこなんでしょう
楽しみだなぁ
でもなんで斎藤様は京の都にいくんだろう
『ねえ斎藤様』
「なんだ」
『斎藤様はなんで京の都に行くのですか?』
しばらくの沈黙
私聞いちゃいけないこと聞いた、、、?
「大切な人たちがいる」
『え?』
「京の都には俺が江戸にいた頃にお世話になった人たちがいる。その人たちに恩返しをするためだ」
『大切な人たち、、、』
「そうだ」
『わ、私は、斎藤さんにとって大切、、、ですか?』
「さぁな」
『で、ですよね〜、、、わかってました』
江戸から一緒なわけだけどそんな日も経ってないし斎藤様の言う「大切な人」にはなれないんだ。
知ってたことですけど
「でも、お前といると楽しさを覚える」
『!?』
「どうした」
『ううん。なんでないです。ほら!早く行きますよ!』
「そうだな」
と言って微かに見せた笑み
そう
その言葉だけでいいんです
その言葉だけで私は嬉しい
だからね
私は斎藤様についていくって決めたんだ