リクエスト2、羽華編

□暁の悪人成敗
1ページ/13ページ

とある町の『河合』という表札が掲げられた家、そこに暮らす一人の女性は毎日嘆き悲しんでいた。
というのも、自分たちの愛する子供である眉子と達也の二人が突然亡くなってしまったからである。
しかしどうして亡くなったのかどこで亡くなったのか全く分からないため、眉子と達也の母親は(二人はまだどこかで生きている)と思い元気で帰ってくるのを待っていた。


そんなある夏の日の事、彼女は熱中症で道端で倒れていた少女を発見した。
その少女に肩を貸しながら家へと連れ帰って介抱すると少女はみるみる顔色が良くなっていき、少しすると目をパチッと開けて起きた。
「俺、刹那イオリっていいます。助けてくれてありがとうございます。」
イオリと名乗った少女はそう礼を言うと、少し離れた所に置いてある眉子と達也の遺影に気がついた。
「あの・・・・・あれは?」
「ああ、私の子供の眉子と達也よ。」
眉子と達也の母親はそう返すと、二人とも突然亡くなってしまった事を話し出した。
「でもね、私は信じられないのよ。あの二人が亡くなっちゃうなんて・・・・・今もどこかで元気でいるんじゃないかって、思うのよ・・・・・。」
そう言うと眉子と達也の母親はグスッと涙ぐみ、すぐに嗚咽交じりの泣き声を上げだした。
イオリはそんな彼女を言葉もなくジッと見つめると、「助けてくれたお礼に俺がその二人を探し、見つけ出す」と約束した。
次へ
前の章へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ