17歳の悪魔
□3 シシュク
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「また明日話をしよう。」
今日はもうどうしようもない。
とりあえず彼女を家に泊めて、俺は出て行こう。
念のため貴重品は全て荷物に詰めておいたし、そう大事は起きないだろう。
「俺はそろそろ家を出る。しっかり戸締りを頼むぞ。」
荷物を持って玄関へ歩いて行くと、彼女も俺の後をついて来た。
「どちらへ泊まられるんですか?…彼女さん?」
「まあそんなところだ。」
そう返事をしつつ靴を履くと、彼女は顔を歪めてしまう。
「本当にごめんなさい…。」
「いや、もう何も気にするな。また明日すぐに帰ってくる。」
彼女という存在がいるのに自身が家に泊まるのが申し訳なく思ってしまったんだろう。
しゅんとしてしまった彼女をつい安心させるようにポンポンと数回頭に手を乗せる。
すると、玄関のドアが閉まるその隙間からにこりと笑うふぶきが見えた。