17歳の悪魔
□4 ソウゲイ
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翌日、彼女の家を出て再び自身の家へ戻る。
鍵をさして玄関のドアを開けると、その音を聞いたふぶきがトテトテと走って来て出迎えてくれた。
その姿に勝手に家から出ることなくちゃんと一夜を明かしていたと安堵する。
そのまま部屋に上がって辺りを見渡せば、特に変わった様子はなかった。
「ゆっくり眠れたか?」
「はい。」
彼女は無邪気な笑顔でにこにこと笑う。
「適当ですまないが、服を買ってきた。ずっとそれでは困るだろう。」
数着の服が入った紙袋を彼女に渡すと、彼女は戸惑った様子でそれと俺を交互に見やった。
「え、そんな…ごめんなさい。いつかお金は返しますね。」
「いや、そう高価なものでもない。金のことは気にするな。」
「でも…」
「それより今日は何か予定があるのか?」
いつまでも渋らせても彼女が気を使ってしまうだけだ。
俺が話題を移すと彼女は目を丸くした。
「バイトとかあるだろう。」
「あ…はい。」
実家がどの程度貧乏なのかはわからないが、家賃が払えないとは相当だ。
立海は当然バイト禁止だが、彼女のような場合は例外として認められるだろう。
それ以前に生活保護を受けているとしてもわざわざ東京に出てきてそれなりに金もかかる私立の学校に通っているのは、昨日激しく拒絶反応を起こしていた実家に関係があるのだろうか。