17歳の悪魔
□4 ソウゲイ
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「それで今日は何時からバイトなんだ?」
「バイトは夜です。」
「夜は危険じゃないか?」
「でも夜の方が時給がいいから…。」
それは最もだ。
しかしこの歳の女の子が夜にバイトなど、それほど金に困っていたということになる。
そして高校生となれば雇う所も少ないし時給も低いだろうから、彼女が家賃に困るというのもまあ当然だろう。
「バイトには送っていこう。」
そう言うと彼女は驚いて、やや焦ったように首を振った。
「大丈夫です!そこまで気遣ってくれなくてもいいですよ!」
「そうか?だが夜は俺は家に帰ってこないから、1人で外に出ても家に入れないぞ。」
合鍵というか当然予備の鍵は作ってあるが、それを知り合ったばかりの少女に渡すのもどうかと思う。
彼女は俺の言葉に視線を落として困ったような表情をする。
けれど、すぐに顔をあげるとにこやかに微笑んだ。
「じゃあ駅まででお願いします。あまり付き合わせるのも迷惑ですし…。」
「…わかった。お前が言うのならそうしよう。」
何かバイト先についてきて欲しくないような雰囲気を感じ取り、まああまり詮索されるのも嫌だろうと思いそれ以上は追求しなかった。