17歳の悪魔
□4 ソウゲイ
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「あの…それと、泊めてもらえるのは嬉しいんですけど、彼女さん…大丈夫ですか?」
ふぶきはやはりそこが気がかりなのか、おずおずと尋ねてきた。
「ああ、昨日説明しておいた。」
実際彼女は少し不安そうにしていたが、俺が夜はそっちへ帰るといえば安心したようだった。
「そう気を使うな。とりあえず今日は一旦家に帰って必要な物を色々持ってきたらどうだ。」
「はい。じゃあ、これ着替えさせてもらいますね。」
そう返事をするとふぶきは脱衣所の方に向かって、俺の買ってきた服に着替えて髪を編んで出てきた。
そのまま彼女は軽い荷物を持って玄関のドアに手をかける。
「ふぶき、夕方には帰ってきてくれ。俺と入れ違いになる可能性があるからな。」
そう言うと、ふぶきはワンピースを翻して振り返るとふわりと微笑んだ。
「ふふ、私も柳さんのこと名前で呼んでもいいですか?」
唐突なその台詞に少し動揺するも、いかにも少女らしいその風貌につられて笑顔になる。
「ああ。」
「行ってきます、蓮二さん。」
もう一度愛くるしく笑う彼女を見送ると、何となく新婚らしいその響きに我に返って少し頭を冷やした。