17歳の悪魔
□8 ショウタイ
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彼と別れると私はいつものように男とラブホテルに入った。
なんてことはない。
ただこの男とセックスして金をもらうだけ。
所謂ネットで知り合った相手との援交だ。
その際の出で立ちは常に黒いセーラー服で三つ編みにメガネ。
もうずっと、この格好で売りをしてる。
男ってのは本当に単純で、この格好はいかにも清純な女子高生を汚しているように思え、その背徳感に興奮するらしい。
それを理解するようになってから、私は普段からこのスタイルを保つようになった。
純粋で無垢な少女を演じるには、最もいい演出してくれるからだ。
そうして私は毎晩ここで汚い欲望と寝る。
一夜に2、3人客を取ることはざらで、今日は2人予定しているけれどそれも約2時間程度の時間。
それが終われば私はここを出て、何食わぬ顔で駅で待つ彼と合流する。
今日もそのはずだった。
「…ふぶき。」
ホテルを出れば、聞き慣れた声で名を呼ばれ私はすぐ横を見やる。
「バイトとはこのことだったのか。」
彼は極めていつもの冷静な表情で私を見ていた。
駅で待っているはずなのに。
何故ここに…。
「お前は以前騙されてそのバイトをさせられたと言っていたが、どうにもそのようには見えないな。」
どうやらもう以前のような言い訳は通用しないらしい。
少し動揺したけど私の中にはすぐに冷静な思考が降りてきた。
ああ、やっぱりこいつ厄介。
「…俺がバイト先についていくのも警察に連れていくのも嫌がっていたのはそういうことか。」
確かにこいつは終始私を信用しているようで疑惑の目を向けることを怠らなかったし、なんとなく勘付かれているようだった。
まあ、バレたものはしょうがないや。
ずっとこんなことを続けるつもりもなかったし、いいタイミングといえばそうかもしれない。
警察に通報されるのを懸念して今まで様子を見てきたけど、潮時だ。
正直こいつのことを持て余してたのは事実だし。
そう思うと私の口元は自然と弧を描いた。