17歳の悪魔
□9 セキニン
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「言っただろう。お前は俺の後輩にあたる。だから放っておけないんだ。」
その言葉に彼女はふっと口元に笑みを浮かべる。
「私、あんたが思ってたような純粋無垢な女子高生じゃないのよ?」
「ああ。…だが、お前がヤケでこんなことをしていたとも思えない。できることならお前を助けてやりたい。」
彼女の表情は笑うでもなく真顔で、俺を睨むようにこちらを見ていた。
「俺は別にお前に警察に泣きつかれた所で構わない。薬を盛られようと手を出したのは事実だ。」
「じゃあ尚更じゃない。」
「警察に突き出されて困るのはお前の方だろう?」
そう言うと、彼女は鋭い瞳をパッと見開く。
「出て行きたければ出て行け。ただ、その場合俺はお前を警察に届け出る。」
「…何それ。脅してるの?」
「ふぶき、お前はそのバイトのことがバレれば、間違いなく学校を退学させられるぞ。」
当然ふぶきもそのことはわかっているようで、表情を曇らせる。
「…部屋を貸すっていつまで貸すつもり。」
彼女はそのままワントーン低い声で言葉を発した。
「以前言った通り、お前がまともなバイトで充分な生活費を稼ぐまでだ。」
そう言うとまた彼女はふっと笑う。
そしてズカズカと部屋に進んで入ると、ドサッとベッドの上に座った。