17歳の悪魔
□9 セキニン
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「普通のバイトで?それって、いつまでかかるかしらね。」
彼女はそう言いながら、三つ編みを解きメガネを放る。
靴下も脱いでしまうと、その黒いセーラー服のままうつ伏せになってにやりと笑った。
「あんたそれまでずっと恋人の家に泊まるつもり?」
その言葉に俺は少し言葉に詰まってしまう。
確かに彼女の言う通り時間がかかってしまうのは事実だろう。
その間ずっと恋人の家に泊まるというのも無理があるかもしれない。
「ていうか、彼女いんのに年下の女子高生家に泊めるって…キャハハ!あんたこそ援交で捕まっちゃうんじゃなぁい?」
ふぶきはくるりと仰向けになって足をジタバタとさせると、腹を抱えて甲高く笑う。
「言っておくが貸すのは部屋だけで、金を貸すつもりはないぞ。」
「わかってるわよ。」
彼女はまた体を起こすと、ベッドに腰掛けた。
「私が男が怖いからって彼女の所に行ってたんでしょ?だったらもうそんなことする必要ないよ。」
そう言ったふぶきはまた真面目な顔をしており、ころころと変わるその様子には以前とはまた違った少女らしさと悪魔のような狂気が共存していた。
「当然私、あんたとヤったのが初めてじゃないし、気にしなくてもいいよ。」
ふと優しい科白を吐いたと思えば、またその愛らしい顔をいやらしく歪める。
「ふふ、それよりあんたの彼女の方が可哀想よね。」
ケタケタと悪魔の笑みを浮かべる少女に、俺は荷物を手にして背を向けた。