17歳の悪魔
□1 モクゲキ
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大学2年生の夏休み、図書館でバイトを始めた。
元々本が好きな為この空間は非常に居心地が良く、自分に向いたバイトだと思う。
そんなバイトを始めて1週間。
よく目にする女の子がいる。
最初に目に止まったのは、立海の制服を着ていたからだ。
彼女は勉強熱心なのか、いつも問題集や参考書等を中心に借りていく。
容姿も三つ編みにメガネといったスタイルで、いかにも真面目そうな学生だ。
しかし別に何らかの関わりがあるわけでもなくその姿を見るというだけで、大した会話はしたことがない。
貸し出しの時に簡単なやり取りをするくらいだ。
ただ、彼女はその際ににこりと愛らしく笑う。
俺はそんな彼女に、今時の女子高生には珍しい類の清楚であどけない印象を抱いていた。