ありいの短編集
□ナースいのお
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「いのちゃん〜お願いだからぁ」
自分でもバカなお願いだと、分かってるよ。
俺はどうしても、いのちゃんにナース姿になって欲しかった。
それというのも…
毎週土曜日に放送されてる、いのちゃんと光くんのラジオで、
口説きコーナーを聞いてた時のこと…
その日は…
赤いハイヒールを口説いてて、
いのちゃんの口から飛び出した、ナースいのお。
是非とも、いのちゃんにナースになって貰いたい!!
もう頭の中は、
ナースいのおだらけ。
「バカじゃねぇーの。マジでお前、頭おかしーわ」
でたよ、
口の悪い堕天使の、いのちゃんが…
滅多に怒らない俺の恋人が、殺意を抱いた目でこっちを見てる。
そんな顔したって、怖くないよ。
だって、いのちゃんだもん。
このナース服さ〜誰の為にネットで購入したと思ってんの?
全ては、いのちゃんの為だよ。
「俺、男だよ。スネ毛の生足見たてキモイだけでしょ」
「いのちゃんなら、そんなもんクリアできる!!」
「もう…わけ分かんないよ…」
「ナース服は男のロマンだよ。可愛いのちゃんに着て貰いたいと思うのは当たり前のことだから!!」
「そうなの…俺は…だいちゃんが変態なんじゃないかて疑ったよ…」
変態でもなんでもいいし、いのちゃんさえ、Okをだしてくれるなら。
まさかいのちゃんが、ここまで嫌がるとは思ってもいなかった。
喜んで着てくれると思ったのは、俺の勘違いだったみたい。
「もうっ〜一回だけならいいよ」
「ほんとに!!」
これは、しつこさの粘り勝ちか、
とうとう、いのちゃんが折れてくれた涙
「だいちゃんが風邪ひいたら、ら、喜んでナース姿で看病してあげる」
「えぇっっ」
そんなの…
いつになるか、分かんないじゃん!!
「バカは風邪ひかないて、言うしね」
「そうそうバカは風邪ひかない…て…ちょっ…なんだよそれぇ!!」
悪戯っ子みたいに、クスクス笑ういのちゃんは可愛かった。
“いのおが可愛い過ぎて腹が立つ”
これて、名言だよね笑
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