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□気づいて
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最近、やまちゃんが俺の家に泊まりにくるようになった。
全く意図は、分からないけど。
「これ、美味しい…いのちゃんが作ったの?」
スーパーで買ってきた惣菜を、美味しそうに食べる山ちゃん。
「俺が作れるわけないじゃん。白米だけは炊いたけど」
「絶妙な炊き具合…流石いのちゃんだな…」
「そう…ありがと…」
何故か向かい合っての食卓。
頬杖をついて、ニコニコしてる山ちゃんが無気味でならない。
俺、 何か悪いことでもした?
「ふぅ〜さっぱりしたぁ。いのちゃんも入ってきなよ」
まるで自分の家みたいに、山ちゃんは寛いでいた。
風呂上がりの山ちゃんはタンプトップにスウェットという格好で、
チビのくせにやけに筋肉質で、逞しい身体。
「鍛えてんの?」
「まあね、俺の身体に見惚れちゃたか」
「ちげーよ、風呂入ってくる」
「いってらしゃーい」
俺を見つめる山ちゃんの瞳が、妖しい光を放つ。
もしかして、俺は山ちゃんに狙われてたりするんだろうか?
ありえねぇ…
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