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□なんでそーなるの
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あの逞しい腕に抱かれたい。
そう思うのは、俺の頭がおかしくなってしまったせいなんだろうか?
男が男に抱かれたいなんて、もはや正常じゃないことは分かってる。
『けい、とっ…俺と付き合って!!』
『ごめん…いのちゃん…せっかく誘ってくれたのに、俺、予定あるんだよ…』
『違うっ…そういう意味じゃなくて!!』
『まさか…いのちゃん…!?』
何かを察したのか、圭人の表情が面白いぐらいに変わる。
『分かんないけど…圭人のことが好きみたい』
告白しようかどうしようかと、随分と迷った。
圭人の性格ならよく知ってるつもり。
俺の気持ちを知ったところで、軽蔑するような奴じゃない。
もし振られたとしても、圭人は優しいから今ま通りに接してくれそう。
本人にしたら迷惑きまわりないな…男に告白されるなんて。
『いのちゃんて…俺のこと好きなの?』
『うん…』
『ほんとに?』
『しつこいな〜冗談で男に好きだなんて、言えるわけないでしょ!?』
俺はちょっとばかりキレ気味で。
あれだけ悩んで、眠れない夜もあったというのに…
あまりの緊張感のなさに溜息が零れ落ちる。
言うんじゃなかった。
真剣に受け止めてはくれなかった。
冗談だよ、て笑って済ませようと口を開きかけた瞬間。
『よし、いのちゃんの気持ちは分かった。付き合おう!!』
『へっ!?』
呆然とする俺…
まるで、飯でも食いに行く?みたいなノリで、
あっさりと俺の告白は、Okされてしまったのだ。
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