おはなし

□頑張れ
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おもいっきり泣いて朝を迎えた
光が差し込んでいる
ブラインドを開けば白い山々
窓を開けて凍てつく空気を胸いっぱいに吸い込んだ
なんの音も聞こえない
静かだ・・・・俺の心も・・こんなにもこころ穏やかになれたのはいつ以来だろうか
白い山々は俺に神の存在を信じさせる
神様・・・チャンミンが悲しみませんように みんなが幸せになりますように


いつも喧噪のなかにいた
音楽 人々の歓声  シャッター音 華やかなスポットライト
すべて俺自身が望み手にいれた世界
そしてチャンミン隣にはいつもお前が居た
  目を閉じた
  目を開ける
一つ息をつき俺の心は決まった

その朝俺はあの世界を離れる決意をした
一度の命・・すべてを懸けたおれの夢だった
俺はおまえと居られて幸せだった
後はチャンミン・・羽ばたけ・・・・ひとりで・・


なんとなく本能で知っていたような気がする
だからいつ逝ってもいいように後悔だけはしないようにその日その時を精一杯生きてきた

余命宣告を受け一番におもったのはチャンミンのことだった

いつだったろうか
チャンミンが「ユノは・・僕の人生を変えた男です」といった
2人で夢をみてきた 
叶えてきたんだ
俺がいなくなっても  お前・・・夢をみれるか?


一緒に生きたいと思った
一緒なら死んでもいいと思った
一緒に生きて一緒に逝きたい・・・でも・・だめだ
だめだよな・・チャンミン
お前は・・お前で生きなくちゃな
・・・・ごめんな
覚えているか?
教えてビギの捨てられないものはなんですか?の質問
お前は  お金
俺は  プライド   とこたえた
  一人で逝く これは俺のプライド
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