おはなし

□先輩として
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数学が好きだ
数学は答えが出るから好きという人がいるけど俺もそう


俺は26師団にいた

26師団にチョンユンホがはいってくる
もしかしたら芸能人と友人になれるかも・・・などとみんな期待した

勿論・・俺もだ
年は俺が3歳下になるが2カ月早く入隊してるからチョンユンホは後輩になる
ユノユノは好きな芸能人の一人だから楽しみだ


俺のイメージのユノはダンスキングで挑発するような妖艶な雰囲気の男だったのだが・・・本物は違っていた

なんだか可愛いという印象だった

話し方も舌足らずで手振り身振り全身を使って・・
アーモンドアイがクルクル動いて・・
クルンとした目は笑うと糸みたいに細くなったりして・・
相手の顔をじっとみて・・・
なんかとにかく「一生懸命しゃべる」ってかんじでなんのことはない話でもつい真剣に聞いてしまう

これがユノユノ?

なんだか可愛いじゃなくマジで可愛いんだけど・・

それでも後輩がはいってくるにしたがってリーダーシップを発揮するようになってきた

それがまた・・うまい・・うまいという表現の仕方は変だがうまいんだ

芸能人という偏見さえも味方につけ指導力・牽引力・統率力・吸引力・・たいしたものだ

そのうちに26師団の中心人物になった

そうなればあのカリスマユノが表面にでてくるのかとおもったが不思議なことに後輩とたわむれていても可愛い

26師団のマスコット

10歳近く年の離れた少年たちといてもマスコットになれるのは何故なんだろう



俺はなんどユノを可愛いと思った?
男が男に可愛い? おかしくないか?
俺はどこがおかしいのだろう?
目か?
頭か?
答えがでないのは嫌だ

ユノも優秀だが俺も優秀だった
頭・運動神経よし・・顔だってわるくないし経済力だってある

だからはやく元の生活に戻りたいと思っていた



一年経ち俺はユノと同室になった

同室になれば夜も一緒だし自由時間だって一緒に過ごすことが多くなる

俺は元々ユノが好きだったから知っているが何かの時にユノは
「自分で言うのもなんですが僕は真面目です」と答えていたことがあった

その真面目さは同室の俺にも影響を及ぼした

ユノは俺を先輩として見てくれた

年下の俺に対してもわからなければ聞いてくるし意見も求める

そういったことがうれしくてそして俺はユノに尊敬されたくて特急戦士を目指した

特急戦士は真面目に努力しないとなれるものではない

ユノは俺の努力を側でみていてくれそして自分も特急戦士を目指した

俺は適切なアドバイスをあたえることができたはずだ


真面目でいつも一生懸命だった

俺はこんなに懸命に何かに打ち込んだことがあったろうか

わかることはユノがいなかったら特急戦士になんてなっていないってことだ

今しかできないことは全てやりたいというユノ

俺は今だから見れるユノの近くで過ごして自分の生き方を見直した

残りの一年はあっという間だった

除隊してよく人から
「あのユノと一緒だったんだって? ほんとはどんな奴?」
と聞かれると

「すっごく恰好よく男らしいくて可愛い所もあるリーダーだよ」
と答える

でも本当は

「可愛いんだよ いっつも一生顕命で素直で元気をもらう」
と答えたい

ただユノが
「僕は可愛いじゃなくてカッコいいなの!」
というからやめておく

まあ実際のはなし恰好いい
黙っていればなおいっそう格好いい

ユノを想うと・・
頑張ろう 今を悔いなく生きようと思う

ユノの先輩としてアドバイスした俺だ・・

緩い生き方はできないさ!

再会した時に胸を張って会いたいじゃないか!

ユノに対する自分の感情はわからない

答えの好きな俺が答えをだすのがこわい

俺はユノの先輩だ

特急戦士だ



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