STORY
□郵便物は有岡です ☆★
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ピンポーンとインターホンの鳴る音が部屋に響き渡る
頼んでいた物が届いた喜びに、座っていたソファーから飛び降りて玄関に向かう
「はい」
ガチャと音を立てて、勢いよくドアを開けると男の子が立っていた
「こんにちは!__郵便です!」
笑顔の可愛い。仔犬のような男の子
最初は、身長から高校生のバイトか?なんて思ったがど平日のお昼なそれはない
胸元のネームプレートには“ 有岡 ”と書いてある
有岡の足元には、伊野尾の頼んだたくさんの荷物が積まれた台車があった
これ、俺1人では運べないな…
そう思っていたのも束の間
「あの、台車「一度中に入れさせてもらっていいですか?」
「え?あ、はい」
笑顔で言った有岡は、慣れた手つきで台車を押、玄関へと入れた
「ありがとうございます」
「あ。中、入っても大丈夫ですか?」
いきなり言われた言葉に戸惑いながらも、「はい」と笑顔で返した伊野尾に有岡もどこか嬉しそうだった
「運ぶの手伝いますね」
「あ、でも、」
「これも、仕事の一つですから!」
なんと威勢のいい人なのだろうと伊野尾は微笑ましく思い「お願いします」と遠慮せずに言った
小さな彼は積んであった箱に手を伸ばし重いだろう荷物を一生懸命に持ち上げていた
「どうぞ」
「失礼します」
頭を下げると、靴を脱ぎ中のリビングへと伊野尾は通した