STORY

□さりとて不敵な恋
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「…んぁ、、ンく、、..もっとぉ…」

彼の声がダイレクトに俺の耳に入り、脳内に響き渡る。その声を聞くたびに、自分がどうかしてしまいそうで怖かった

「いいの?伊野尾くん。恋人いるんでしょ?」

シーツにシワをつくり、綺麗に乱れる彼は一輪の青い薔薇のようで俺を虜にしていく

その肌にもっと触れたい

その髪に指を通したい

その瞳に、その心に、その、その、その、

叶いもしない願望が生まれてしまう自分が憎い

木は、自分の真面目さに胸が痛くなり苦しくなるのが分かった
鼻の奥がツーンとしてまるで失恋した女の子みたいだった

「た、かぎぃ、、もっとぉ、...ぁ、」

「たか“ き ”ね!そんな伊野尾くんにお仕置き」

なんの躊躇もなく伊野尾の奥を強く自身のモノで突くと眠い目を見開き声を上げる

「、ちょ、...きゅッ、だよぁん、っん、」

「でも、ッ、感じてんじゃんっ」

計算だって分かっている。分かっていても彼に対する愛を止めることなんて木にはできない

身体だけの関係

恋人がいることぐらい、彼の事が好きな木からすれば知らない筈がない
それに、伊野尾が木の事をいわゆるセフレとしてしか見ていない事だった

でもさ、伊野尾くん

「い、のおくん、」

「ぁっ、きッて、...ッ、きてッ、たかき!」

伸ばされた手に、触れるだけのキスをする。届かない事ぐらい本人が一番分かっていた
それでも、離すことなんてできない

自分が、惨めでバカで、見苦しい

でも、俺は伊野尾くんが好きなんだ

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