STORY
□カメラの最初はね
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「裕翔、おめでとー!」
楽屋を開けると飛んでくる祝の言葉に中島は戸惑った
あれ?なんだっけ、?
そう思いながら、カレンダーに目をやった
8月10日___
あぁ。俺の、誕生日だったっけ?
二十歳を超えれば、誕生日なんてそう覚えているものではなくなってしまう。昔なら、皆に言いふらしてお祝いしてもらって、ケーキ食べて、なんて今じゃ無縁
「裕翔!これ、プレゼントな!」
そう言って、薮をはじめとしたBESTの皆がプレゼントを次から次へと渡していく
綺麗にラッピングされてる物だったり、本体そのものだったり
皆の気持ちがよく伝わり、中島は微笑んだ
「ゆうてぃ。僕から、はい!」
「あ。ありがと。ちいちゃん」
「裕翔、これ。いいんだって!」
「やま、ありがと」
山田と知念も走って中島の元へ来れば、プレゼントを渡した
サイコーに嬉しい、嬉しいけど、
やっぱり、俺が一番欲しかった人からは貰ってなくて、どこか悲しくなる
それが、山田に通じたのか山田は楽屋を見回した
「圭人、いないな。」
「…え?、あ、うん。」
「どうしたんだろ、遅刻かな?」
いつもは、いるはずの圭人がいない事にどこか不安を覚えた