STORY
□ミックス・フレグランス ☆★
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だんだんと暖かくなってきた風に揺れる綺麗な毛先に手を伸ばす
「何してんだ?大ちゃん」
目の前にいる彼に重なるように、見慣れた顔が視界に入る
「うわ!もう。光くんか」
PVの撮影が終わったのか、伸びをした八乙女は有岡の隣に座った
ふわりと香る八乙女の匂いに、有岡は「香水変えた?」なんて言いながらつまんなそうに肘をついた
「変えた、変えた。よく分かったな」
「俺、鼻はいいから」
「あーそうだったな」
なんて、花粉が酷い時期だからかクシャミをしながら八乙女はボーッと撮影中のメンバーを見た
そんな時、有岡はふとその香水に目を見開き八乙女を見た
「大ちゃん?」
「山田と一緒の匂いだ」
「は?」
「山田の香水と一緒?」
目が点になっている八乙女に、有岡は溜め息を吐くと、手を振り「もう、いいや」なんてテキトーに話を終わらせる
そんな姿が気に食わなかったのか、八乙女は噛み付くように「どう言う事だよ!」と肩を掴んだ
「てか、山田の香水これじゃなくね?」
「え?嘘、」
クンクンと自分の服を手首を匂う八乙女は、眉を下げて言った
「山田のは...」
「有岡さん。次の撮影お願いします!」
八乙女がその続きを言おうとした時に限って、有岡はスタッフに呼ばれた