STORY

□妄想キミ、実物キミ ☆★
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「はいはい!こっちね!」

カメラさんの明るい声がスタジオに響き渡る。それに対して、どんよりとする俺は携帯をいじっていた

「大ちゃんが携帯なんて珍しいね」

「うわ。光くんかよ」

顔をひょこっと出した光くんに俺は驚きのあまり携帯を落としかける

「そんなに驚くか?」

「で、光くんは撮影終わったの?」

「終わったよ。この後集合写真らしいから暇なんだよね」

なんて言いながら、背中にもたれかかってくる。いくら細い光くんでも、成人男性なわけであって軽いはずがない

「くっ、重いな!」

「気のせい、気のせい」

背中でダラダラとしてくる八乙女に、強く言えるわけもなく、諦めたようにそこで話を止めた

「大ちゃん。伊野ちゃんのなんかあった?」

ふとした瞬間、言われた言葉。盛大に驚き、今度はバッチリと携帯を床へと落とした

「ちょ、大ちゃん」

「ごめん。ごめん」と言えば、携帯を拾い座り直す。当然、周りのスタッフにも頭を下げた

「で、伊野ちゃんとあったの?」

「な、んで?」

恐る恐る聞く有岡に八乙女は不思議そうな顔をした

「いや。さっきから伊野ちゃん、チラチラと大ちゃんの方見てっから」

「俺の事?」

「うん。ほら、今も」

パッと伊野尾の方を見た。だが、そこには、当然ボーッとメンバーを眺めている伊野尾がそこにはいた

「見てないじゃん」

「いやいや。見てたって!」

「気のせいじゃない?」

そう言い残すと、面倒になった俺はまた携帯に目を落とした
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