STORY
□薮が猫でも嫌いなんです ☆★
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「俺は薮宏太だ。よろしく」
なぜ、こうなってしまったんだ?
気がつけば、八乙女の家には猫耳をつけた薮宏太いわく。変質者がいる
ていうか、名前がちゃんと人間なのね
まあ、あの時は周りに変な目で見られたくなかったから話だけでも、聞いてやろうと思って家に上げてあげたけど…
「君は?」
「八乙女光」
少し名前を言うのも抵抗があったが、大丈夫だろう。と安心してしまう自分もいる
「…なんで、猫耳」
「ああ。これ?俺の耳だよ」
「………ぇ?ちょ、なんて?」
「だから。俺の耳だってば、なに?そんなに驚く事?」
そんなこと、俺じゃなくても驚くだろう
こんな非科学的な事言われて、はい、そうですか。なんて軽く流せる分けがない
停止しかかっている八乙女を見て、薮はケラケラと笑いながら、さっきもてなしたお茶を一口飲む
「ほら。尻尾をあるよ」
そう言って自分の腰元から長いフワフワの物が出てきた
「うわっ、」
「リアクションが毎回、大きいよな。光って」
「あ、当たり前だろ?だって、そんなリアルに動くんだもん」
くねくねと、本物の猫の尻尾のように動き出すそれを指差しながら俺は騒ぐ
そんな八乙女を、不思議そうに薮は見る
「リアルに動く?」
「気持ち悪いな。動かすなよ」
「動かしたくなくても動くんだよ。俺の身体なんだし」
こいつ、何言ってんの?
「いやいや。俺、猫だし」