キミを離せない

□キミを離せない〜1
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ほら、今だってみるきーさんと至近距離で話してる。


……そんなに近くで話す必要ある?




こんなことでイライラする自分も腹立たしいけど、あれはちょっとやりすぎだと思う。いくらみるきーさんだからって、彩さんは私のなのに。

かといっても、私には面と向かって言う勇気なんかない。

ヘタレだもん。

こうやって、気付いてくれないかな〜なんて思いながら見つめることしかできない。


前まであんなに二人は仲良くなかったのに。

急にどうしたのかな…
心配になるよ、彩さん。

私には彩さんしかいないのに。彩さんは誰だって良いんですか?



モヤモヤした感情を抱きながらも、二人から目を離すことができない。




あ、今……みるきーさんが彩さんにキスした。

ほっぺにだけど。

彩さんは満更でもなさそうに


彩「ちょ、やめてや」

なんて言ってる。

もっと拒んでよ…

ふと自分の胸元に目を移すと、そこには彩さんとお揃いのネックレス。
彩さんの胸元にも目をやると、そこにも同じネックレス。


つけてくれてるんだ…


それだけで嬉しくなった。

これは、私が彩さんと付き合って1ヶ月記念にあげたプレゼント。彩さんと恋人同士っていう証が欲しかったんだ。

ネックレスなんて首輪みたいで束縛しちゃってるかな…なんて思ったから、あげる時に


『あ、の…別に毎日つけろとか、そういうんじゃないので……暇な時につけてくれたらいいな、なんて』

そう言ったら、

彩「何言ってんねん!毎日つけるに決まってるやん。かわいい〜〜。ありがとう夢莉!」


なんて嬉しそうに無邪気にはしゃぐもんだから、プレゼントして良かったなって思った。


彩「これを外す時は別れる時やな〜」

ってニコニコしながら言っていたのも思い出した。


『ちょ、やめてくださいよ……縁起悪い、、』

彩「そんくらい大事にするねってこと」




あれから二ヶ月経ったけど、彩さんは相変わらず毎日つけてくれている。


それだけで私たちが繋がっているように感じるんだから、私は単純だ。



でも、やっぱりこれだけじゃ不安。


彩さんからも私のところに来てくれたら良いのに…



朱「そんなに気難しい顔しちゃって。またさや姉のこと?」


いきなりアカリンが現れた。


『…りんちゃん』

朱「どしたの夢莉たん。可愛いなぁ、よちよち」



からかい口調で言われた。

けど、不快でもなんでもなかった。むしろそんなじゃれ合いが今の私には助かった。

『彩さん、みるきーさんとイチャイチャしすぎ』

朱「確かに〜。ベタベタしてるね」

『…うん』

朱「朱里が言ってこようか?」

『ううん、大丈夫。ありがと、りんちゃん』

朱「それにしても、最近いっつも一緒におるな、あそこ二人」

『うん、そう。……なんなんだろ』

朱「さや姉浮気してたりして〜」

『彩さんに限ってそんなことは…』

朱「分からんで。じゃあさ、もしほんまに浮気してたらどうする?」


えぇ…

そんなこと考えたくないよ



『ん〜、どうするんだろ』

朱「えっ、悩むの?!朱里やったら絶対別れるな〜」

『そんなもん?』

朱「そんなもん」

『…そっか』


私はどうするかな


彩さんと別れられる?



……いや、多分無理だ


彩さんのことをこんなにも好きなのに、自分から別れを切り出すなんてしたくない。










彩さんは私のもの。



誰にも渡さない。


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