短編1

□不器用な彼女
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飛鳥side


私は、歌が上手くてダンスも上手でみんなからの信頼も厚いキャプテン、山本彩と付き合っている。

NMB3期生として加入した私はカッコイイ彩さんに憧れていたわけやけど、お茶目な一面もあったり、少しぬけてるところがあったり…という姿を見てそのギャップにやられたわけですよ。

そして、溢れかけていた想いをついに隠すことが出来ずに、勢いで告白してしまったのがつい最近、1ヶ月前のこと。

彩さんは一瞬驚いた顔をしていたけど、すぐにくしゃっと笑って「ええで」って言ってくれた。

ホンマに告白して良かったなって思っとったんやけど…な



付き合ってもなんもかわってないやん!!!!

ってのが正直なところ。

そりゃ、あれからハグくらいはしたけど、そのキ、キスとかやってまだやし…

彩さんの家に呼んでもらえることやってあったけど、ただ雑談してそれで終わり、ムードもなかったし…私ってそんなに魅力ないんかな…

それに、彩さんは最近ずっと忙しくて2人の時間をちゃんと取れてない。
疲れてるんかなって感じる時があるけど、相談もしてくれへんし、彼女として支えてあげれてるのか凄く不安。

年下だから、頼れないっていうのもあるかもしれへんけど、私は彩さんの彼女やねんから、なんでも頼ってほしいな…


『はぁ…。』

朱「どしたん、飛鳥。なんか悩んでんの?あかりでよければ話聞こか?」

『…あの。私ってちゃんと彩さんの……。いや、やっぱなんでもないです!』

朱「そう?大丈夫なん?…なんかあったらまたいつでもおいでな」

『はい!ほんまにいつもありがとうございます。』

朱「かわいいーー!飛鳥は笑ってる方が可愛いねんから、そんなに悩まんときよ。」


あかりんさんにはよく相談にのってもらっている。
けど、今回は相談していいものなのか、分からなかった。
あかりんさんと彩さんって仲良いからなぁ…なんて考えてた。



ーー収録後ーー



今日はこのあと彩さん用事ないって言ってたから、久しぶりに家に行っていいか聞いてみようかな。


『彩さーん。』

彩「おお、飛鳥。どしたん?」

『あの、このあとって…家に遊びに行ってもええですか?』

彩「あーー!ごめん!急に振りの変更入って確認せなあかんねん。だから、また今度でもええか?」

『そうなんですね!…大変ですね、また今度行かせてください。』

彩「おう。ほんまごめんな」

『いえいえ!彩さん、頑張ってください』


うまく笑えてたかな。

彩さんの事だからこういうこともあるって割り切らなきゃ…

…でも、やっぱり久しぶりだったから寂しいなぁ



それから、みんなと挨拶をしてスタジオを出た。



1人で帰っている途中、忘れ物に気づいてしまった。

『やばっ。携帯忘れとるやん…。これは取りに帰らなまずいよな。』


収録終わってからかなり時間経ってるから、誰か人おるかな。


中に入っていくと、レッスンルームの明かりがついてるのが見えた。


彩さん、まだ一人でやってるんやろか…


覗いてみると、2人の影が見えた。

楽しそうな話し声が聞こえてくる。

んー。彩さんともう1人誰やろ。

…あ、みるきーさんや!
何話してるんやろ…


この時、話を聞こうとしたのが間違ってた。


み「はい、これ彩ちゃんが好きなやつ。」

彩「おお!!ありがとう。やっぱようわかってんな、私のこと。」

み「そりゃあこんだけ一緒におれば好きな物とか、考えてる事くらい分かるで。」

彩「ほんまに助かるわ…」

み「今日、久しぶりの休みやったんやろ?飛鳥ちゃんと帰らんで良かったん?めっちゃ寂しそうな顔しとったけど。」

彩「そーやねん。…けど、チームのみんなに迷惑かけれへんし、やるべきことはやらなあかんやん。」

み「そーやけど。ずっと休みなかってんから、今日くらいええんとちゃう?」

彩「え、みるきーは私とおるん嫌やったん?」

み「わざわざ一緒に残ってんねんから、嫌なわけないやん。」

彩「…ま、飛鳥といるよりみるきーといる方が落ち着くからな。最近バタバタしとったし、ええんちゃう?」

み「そんなことゆうたら飛鳥ちゃんに怒られんで。」


…なにそれ。

彩さんと帰りたかったんって私だけなん?
彩さんと一緒に過ごしたかったんって私だけなん?

みるきーさんといる方が落ち着くって……

なら、なんで私の告白受け入れたん?

みるきーさんと付き合えばええやん!

1人で舞い上がってアホみたい…
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