短編1
□永遠
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〜飛鳥side〜
明日は私たちが付き合ってからの3周年記念日や!
…覚えてるんかな
彩さんは最近もまだまだ忙しい。
2周年記念の時は、彩さんは忘れていたらしく私がそれとなく言ってみたら、気づいたっていう感じやった。
…私たちこのままで大丈夫なんやろか
って思ってるのも私だけなんかな
付き合いたての頃、私たちは初々しくて、手を繋ぐのでさえも恥ずかしがってしまうような仲やった。
メンバーもみんなが祝福してくれた。
いつしか、メンバー内では熟年夫婦という認識になっているほど、私たちは仲がいいねん。
それから、ハグ、キス…ってゆっくりと段階を踏んでいったわけやけど
それが今ではなんの恥じらいもなく、当たり前のようになっている。
それはそれで良いとは思ってるんやけど…彩さんはなんとなく、昔の方が愛情を沢山くれていた気がする。
…こう思うのは贅沢なんやろか
そして私は今までずっと彩さんに隠してきたことがある。
これを言うと、面倒くさがられそうで言えなかった。
…私はずっとさやみるきーの関係が羨ましかった。
私たちが付き合う前から仲良しで、世間ではさやみるきーがベストカップル!みたいな雰囲気になっていた。
私たちが付き合い出しても、もちろん絶えることは無かった。
…しょうがない。
だって先輩やもん。
私が加入するのが遅かった。
私があの頃から積極的であれば…
私がもっと彩さんと絡んでいれば…
なんて思ってももう遅かった。
みるきーさんがまだNMBにいた頃、ファンの方からよく言われた。
「彩ちゃんが、飛鳥ちゃんの写真よく送ってんねんけど…。私、さやみるきーファンやねん!ちょっと自粛してくれないかな…なんて」
「さやみるきー推しなんやけど、彩ちゃんとみるきーの絡みがもっと見たい!って言っといて!」
いつでも彩さん絡みになると、みるきーさんが出てくる。
…なんで私やないんやろ
…なんでみるきーさんばっかりなん?
けど、こんなこと、1度も口にしたことはない。
口にするなんて恐れ多くてできへん。
きっと彩さんを苦しめるだけや…
それに、ちゃんと彩さんは私を愛してくれている。
いう必要なんてなかった。