短編
□イルミさんとクリスマス
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※会話文
「なんですか、なんなんですか。」
「……。」
「なんでクリスマスまで暗殺しなきゃならないんですか。依頼主、暇なんですか。なんでクリスマスに暗殺依頼が大量に入るんですか。」
「……むしろ喜んだら?稼ぎどきなんだし。」
「喜ぶ?この状態を喜べと?
クリスマスは家で落ち着いてこたつに入りながら、ちょっとしたオードブルとケーキを食べるのが楽しみなんです。なのに、もうすぐ日付け変わるじゃないですか!」
「(荒れてるなぁ。付き合わせたのオレだから無理矢理黙らせるのも気がひける……適当に言葉返しとけばいいか。そのうち黙るだろ。)それ、明日じゃダメなの?」
「クリスマスに食べるからこその特別感があるんです!
あー、世界滅びませんかねー。そしたら殺しのない平和な世界だ。」
「滅びた世界に平和も何もないんじゃない。」
「……イルミさん、面倒くさくなってきたでしょう。」
「分かってるなら少しは静かにしたら。」
「はーい。あ、イルミさん、サンタさんの置き物がありますよ!」
「静かにする気ないだろ。」
「話すのやめたら、テンション下がって今より面倒くさくなりますよ。
そうだ。イルミさんはサンタさんに何をもらいましたか?」
「……は?サンタさん?」
「……もしかして、イルミさんも貰えなかったんですか?」
「……リヒトは?」
「私は一度も貰ったことがなくて。まあ、暗殺者のところにサンタさんなんて来るはずないですよね。」
「……キルたちは貰えてたよ。」
「贔屓だ!」
「(あー、これボケじゃない。本気でサンタクロースがいるって信じてるやつか。どうしよ、ネタばらしするのがこいつの為だけど……。)手紙は書いた?」
「……手紙?」
「そ。クリスマスイブの一週間前に欲しいものを手紙に書いてツリーに吊るしておくんだけど、やったことない?」
「……ない、です。それをしないと、サンタさんは来てくれないんですか?」
「うん。だからさ、今年は無理だけど来年から書いてみたら?」
「はい!ありがとうございます、イルミさん。」
「どーいたしまして。(面白いから黙っとこ。)」
「来年は来てくれるといいなー。」
(来年はキルたちの後にリヒトにプレゼントか。一応、忘れないようにあとでメモしとかないと。)