長編『明るく元気に!!』

□1話
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「ぎゃーーー!!なんだこれ!?」
私霧崎葵は空にいた。というか落下していた。
え?何故空にいるかって?そんなの私が聞きたいわ!!
ああ、私の人生終わったな。まともに空から落ちて生きてた人なんて聞いたことない。そんな人が実際居たら化け物だ。
せめて大学は卒業したかったな・・・さよなら私の人生

「こんにちは。霧崎葵さん」
ん?声が聞こえる。しかも私の名前を呼んでる?
そっと目を開けると子供が空に立っていた。
(!?)
「あはは。驚いた?僕は生と死を司っている者だよ。
 まずはごめんなさい。君と他の人を間違えてしまって・・」
は?生と死を司ってるって?間違えるって?一体何の話をしているのだろう
「僕が間違えてしまったから君は死んだんだよ」
はい?私が死んだ?いやいや私まだ生きてるよ。ちゃんと感覚だってある・・「あれ?ないよ!感覚!」
え、どういうこと?ああ、もうさっきからハテナマークばっかじゃんか・・
「当たり前だよ。君は死者だよ。感覚なんて無いに決まっているじゃないか」
「・・・そっか・・私死んだのか・・仕方ない・・とでも言うと思ったか。なんで私が間違われて死ななくちゃいけないんだ。何とかしてよおおお」
「だから間違えたことは謝ったでしょ。大丈夫!何とかしてあげるから」
何とか出来るの!?
「君の元いた世界では君はもう故人だ。だけど他の世界なら君を生き返らせてあげられる」
「あ、あのさそれってトリップってこと?」
「君のいた世界の言葉を使うならね。それに代償無しには出来ないんだけどね」
もう死んだことが代償だよね。これ以上の代償なんてないよね!?
「代償って何なの?今の私に取る物なんて何もないと思うんだけど」
「あるよ。例えば、記憶とかその体とか・・」
え・・何それ怖い・・体って何なの
「まあ君の場合は僕の手違いで死んでしまった訳だから、代償は軽めにしといてあげるよ」
いやいやお前の手違いで死んだんだったら代償なしでトリップさせて欲しいんだけど。
「軽めの物って何?」
「年」
「年?」
「そう。簡単に言えば少し若返らせてもらうよってこと」
若返らせる?ってことは
「私子供になるの?」
「いや。完全に子供っていう年齢までにはならないよ。ザっと5歳くらい貰うだけ」
ってことは15歳になるってことか。まあ完全に子供になるんだったら某探偵みたいに生活とか気を付けないといけないって思ったんだけど、それくらいなら気を付けなくてもちょっと大人びた子で済むだろう。
「まあ。許しはしませんが、謝ってくれましたし?生き返らせてくれるんならもういいです」
これ以上言っても元の世界に戻れるわけでもないしね。
「ありがとう!それじゃあさっそく落とすよ?」
「は?」
「気づいてなかったの?もうここがこれから君が生きていく世界なんだよ。今は僕の力で君の時間を止めているだけに過ぎない。それじゃあ頑張ってね。」
ポムッ
「ぎゃああああ!誰か助けてえええ」
ああ。私の第二の人生終わりかけてます。

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