長編『明るく元気に!!』

□2話
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「ぎゃあああ!誰か助けてえええ」

私は空を飛んでいた。否、落ち続けていた。

え?前回の始まりと同じだって?当たり前だ!

前回と同じ状況なんだから!

それよりこの状況を何とかしないといけない。

とは言っても私自身そんなに運動神経は良くな

いし、というかこの状況で無事着地できる人が

いたら見てみたい。

下を見たら緑が広がっていた。


(森?)

下が森なら運が良ければ草がクッションの役割

になってくれる。

(一か八か!)

やってみなくちゃ分からないことはやってみ

る。それが私の座右の銘なんだから!

私は体を反転させて、下を見据える。そして頭

から落ちないようにバランスを考えながら落ち

ていく。

(え、人!?)

下に人がいた。それも多分子供だ。

ヤバい。この高さ、スピード、あの子の上に落

ちたら確実に怪我じゃすまない。

(だったら・・)

「わあああ!そこどいてええ!」

私は大声でその子に叫ぶ。

「ん?上から声がってうわっ」

良かった。聞こえたみたい。って何やってん

の!?

その子は腕を広げていた。

(まさか私を助ける気!?)

そう思っても地面との距離は僅かで。

私はその子の上にダイブする羽目になってし

まった、

「だ、大丈夫!?君!」

私の下で倒れている子供に聞く。

「イテテ・・大丈夫です。お姉さんは・・」

良かった。無事だったみたい。

「私も大丈夫。ありがとう助けてくれて」

そう言うとその子はホッとした顔になった。

「良かった!空から降ってくるなんてびっくり

したぜ」

あははは・・私もびっくりだよ。

「お姉さん名前は?どこから来たんすか?」

あ、そうだった!どうしよう。


とりあえず名前だけ言って、他は記憶喪失とかしとく?

いやでも、そんな嘘いずれバレる。

それに名前だけ憶えていて他忘れたなんて不自

然すぎだろ。

(だったら)

「私は霧崎葵。私自身信じられな

いんだけど、別の世界から来たみたい」

嘘は吐きたくなかった。

それに嘘を吐いたら、この先ずっと吐き続けな

ければいけないと思ったから。

そう言うとその子はびっくりした顔で

「マジすか!?すごいや!お姉さんじゃなかっ

た。葵さん」

あ、あれ?信じた・・

「あ、俺きり丸です。別の世界から来たってこ

とは帰るところないんですか?」

「そういうことになるね。」

どうしよう。きり丸君に言われて気が付いた、

(私無一文だった・・)

「だったら忍術学園に来ませんか?」

忍術学園?忍術?某バトル漫画みたいな?

「忍術学園は俺の行ってる学校なんです。若干

個性がある人もいるけどみんないい人ばかりな

んで、葵さんのことも受け入れてくれ

ると思います」
いやいや、忍術ってことは忍者だよね?あまり

忍者のことは知らないけど隠密に仕事をしなく

ちゃいけないんじゃないんだっけ・・疑おう

よ。自分で言うのもあれだけどさ。

「あのさ、きり丸君。忍者目指しているんだよ

ね?そんな子がそんなあっさり人を信じていい

の?」

「な、なんで分かったんすか!俺が忍者だっ

て」

「いや、今さっき忍術学園って言ったよね。

君」

きり丸くんはあ!っと声を上げた。そしてやっ

ちまったと言って、

「まあ正確に言うと忍たまです」

「忍たま?」

「忍者の卵って意味です」

ということは彼は忍者見習いってことか。

「それより!忍術学園に行きましょう!」

え、もう決定事項!?

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