長編『明るく元気に!!』

□4話
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え・・この人が学園長先生?
私の前には可愛らしいお爺さんと犬
なんか拍子抜けしたかも。
「きり丸。その娘さんは誰じゃ?」
「俺がアルバイトの帰りに森で会った別の世界から来た霧崎葵さんでっす」
学園長先生が眉を顰めた。
あ、これ絶対疑われてるよね・・
そりゃそうだ。忍術学園だもん。忍術を学ぶ所だってことはすぐ分かる・・
(てかすぐ分かって大丈夫なのか!?)
「娘よ。きり丸が言ったことは正しいのかね?」
「はい。私の名前は霧崎葵。歳は15、別世界から来たのも本当です。信じてもらえないかもしれませんが」
私はそれからどうしてこの世界に来たのかを話した。
気が付いたら空を飛んでいて、訳の分からない人と出会い、自分はもう死んでいると告げられ、別世界に飛ばされていたことを知り・・などなど
話終えると学園長先生は
「ふむ。誠に考え難いことじゃが、間者ならもっと現実のある嘘を言うだろうしのぅ・・
そちの話には矛盾は一つもないと感じたのじゃが・・どう思う?伝蔵、半助」
えっ!?
シュタッ
人!?しかも二人!しかも天井から!さすが忍者!
「そうですね。彼女の話は不思議ですが、矛盾点は無かったと思います」
「私もそう思います。」
うわ〜渋いおじさんとイケメンなお兄さんだよ。
二人ともカッコいい〜〜。
「二人がそういうのなら大丈夫じゃろ。よし思いついた!」
何をですか!?
三人を見ると、きり丸君と渋いおじさんは呆れた顔をしてるし、イケメンなお兄さんはお腹を痛そうに押さえてる。大丈夫かな。
「葵を一か月間、一年は組に編入させる!その後は忍術学園で働いてもらうこととする!」
え、ええええ〜〜〜!?
いやありがたいよ。ありがたいけど、そんな編入!?私が!?忍術を一切知らない私がだよ!?
「学園長!彼女は一般人ですぞ!いくら一年生とはいえ・・」
そうだよ。それが普通だよね
「そうじゃ。葵は一般人じゃ。しかし、この世界のことを全く知らん!だから一か月この世界のことを学ばせるのじゃ!」
ああ。そうか。
私はこの世界のことを何も知らない。生活習慣や金勘定のことなど全て知らない。
そんな私がいくら働いたところでなにも役に立たない。だから学園長先生はこんなことを言ったのか・・
「は組は俺のクラスで、この先生たちが担任をしてるんです!クラスメイトだ!よろしくお願いします。葵さん」
きり丸君が満面の笑みで言ってくれた。
「全く学園長は・・は組の教科担当の土井半助です。一か月よろしくな。」
「実技担当の山田伝蔵だ。よろしく」
「霧崎葵です。まだ分からない事ばかりですがよろしくお願いします」
これから一か月は組で頑張るぞ〜〜!
「ヘムヘム」
ん?犬が青色の着物を出してきて私の前に置いた。
というかヘムヘムって鳴く犬って初めて見たんだけど・・
「ヘムヘムは学園長先生の忍犬なんだ。」
土井先生がこっそり教えてくれた。
へえ。忍犬か・・カッコいい
「これは一年生の制服じゃ。これを着て明日から勉強に励んでほしい」
「はい。ありがとうございます。頑張ります!」
さあ、私のこの世界での生活が始まる。

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