暗殺少女
□第2話
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私達に与えられた任務は…
来年までにこの先生を殺すこと
成功報酬は百億円……
「ね、渚
杉野今朝、暗殺失敗したんだって?」
カエデちゃんが渚君に聞く。
殺せんせーの暗殺に関わっているのは私達E組だけだ。
……当たり前のことだけど。
だからこそ、人数が少ないから暗殺に失敗したらすぐにみんなに伝わってしまう。
私はそれが怖くてできない。
みんなはきっと、次頑張ればいいって慰めてくれる。
だけど……。
(怖いんだよね……。皆に気を遣わせるのが…私なのに……。
私なんかが、みんなに気を遣ってもらうのは、迷惑なんじゃないかな…)
きっと、杉野君が落ち込んでいるのは、殺せんせーを殺せなかったからじゃない。
それは、薄々感じている。
私は、杉野君や他のみんなみたいに積極的に暗殺をしていないし、自分の意見を言ってもしみんなに拒否されたらと考えると、言えない。
みんなと全然違う。…生きてる世界も……。
だけど、それでもわかる。
殺せなかったからじゃない理由があるって。
烏間さんは、最近この教室が殺せんせーを殺せる唯一の場所なんだって言っていたけど……。
正直言って、マッハ20の殺せんせーを殺せるなんて思っていない。
それは、私一人の思いではなく、クラスのみんな全員が思っていることだ。
でも…。それでも、みんなは殺せんせーを殺そうと日々試行錯誤してやっている…。
みんな、自分のやり方で暗殺しようとしている。
それなのに私は……。
何もしないで、みんなががんばっているのを見て、それで終わり……。
昔からそうだった。
自分の意見なんて言わないで、ただそこにいるだけ。
勇気を出してみても、だれにも私の声は届かなかった……。
前だってそれで殺せんせーに言われちゃったし。
(やっぱり、私って良いところないなぁ)
鈍臭いし、すぐに泣きそうになるし…、
自分に自信もないし。
全部、自分勝手な言い訳だってことはわかってる。
それでも、私にはみんなと同じようにするのは、無理だった。
あの事だって……。