暗殺少女
□第2話
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けれど、そんな私の心配も虚しく、次の日から杉野君はまた元気を取り戻していた。
たぶん、殺せんせーが何かアドバイスをしてくれたのだろう。
私は杉野君になにもできなくて少し申し訳ない気持ちを覚えたが、それよりも元気が戻って良かったと思えた。
もしかしたら、殺せんせーなら……
殺せんせーになら、私も受け入れてもらえるかもしれない。
私の秘密も、私のことも、丸ごと許して包み込んでくれるかもしれない。
この苦しい胸の内を、打ち明けても大丈夫かもしれない。
それでも、そう思っても、私にはもう少し時間が必要なのだ。
時が来たら、きっと話せるのだ。
なるべくなら、みんなに気づかれないよう、悟られないようにこの中学校生活を終わらせたかった。
だけど、私はE組のみんなが大好きだから、きっとこのまま嘘をつき続けるだなんて、無理かもしれない。
(どうしたらいいんだろう……)
私は1人不安に駆られながら、1日を終わるのだった。