暗殺少女

□第3話
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「いたいた」

「今日のおやつは北極の氷でかき氷だとさ」

「コンビニ感覚で北極行くなよあのタコ」

「行くぞ。百億円は山分けだ!!」


そして生徒達が動き出した。


「殺せんせー!!」

「かき氷俺等にも食わせてよ!!」

「せんせー!」

「俺も俺もー」

「……おお」

(生徒達が心を開いてくれている!!
あんなにも笑顔で……)


生徒達は一斉に対先生用ナイフを取り出し、殺せんせーに向かって切りつけた。


(……こんなにも殺気立って!)


「でもね」


殺せんせーは一瞬で生徒達に何か≠した。


「笑顔が少々わざとらしい
油断させるには足りませんねぇ
こんな危ない対先生ナイフは置いといて」

「えっ……」

「花でも愛でていい笑顔から学んで下さい」

「……!!ん?
ていうか殺せんせー!!この花クラスの皆で育てた花じゃないですか!!」

「にゅやッれ!!そ、そーなんですか!?」

「ひどい殺せんせー。大切に育ててやっと咲いたのに」

「しかもこれ…中谷が毎日世話してる花じゃん…」

「え!?」

「あっ!中谷!」


若干焦った顔をしている磯貝君を尻目に、ジョウロを持った私が参上。

……タイミングが良いんだか悪いんだか…。
多分、タイミングはいいんですよね…?


「中谷さん……」


殺せんせーは、まるで私が人殺しをしたかのような顔をして焦っている。

……いや。あの…泣きたいのはこっちです…。

というか……


「お花……」

「す、すいません!今新しい球根を…買ってきました」


殺せんせーは一瞬で球根を買ってきてしまった。


「マッハで植えちゃだめだかんね!!」

「承知しました!!」

「1個1個いたわって!!」

「はい!!」

「ほら!アーニャも一言言ってやんなよ!」


桃花ちゃんが殺せんせーを指さして言う。


「え!?あ、あ…と…あの……」

「うんうん!」


みんなの…期待の目が……。痛いです。
ごめんなさい。


「ご、ごごごごめんなさい!!」

「「「「え???」」」」


みんなが私の言葉に疑問を持って首を捻った。


「アーニャ!そこ謝るとこじゃなくて怒るとこだから!!」

「そうだよ!中谷が毎日水やりしてた大事な花なんだぞ!?」

「なんか……ごめんなさい…それじゃあ……」


その間にもスコップで1個1個ていねいに花を植えていく殺せんせーの隣に座って言う。


「わ、私も手伝います」

「「「そういう事じゃねーよ!!」」」


みんなの声がキレイにハモった。


「なー…あいつ地球を滅ぼすって聞いてッけど」

「お、おう…
その割にはチューリップ植えてんな」

「……チッ
モンスターがいい子ぶりやがって」


寺坂君達が影から言っていたのも知らずに…。


「渚?何メモってんの?」

「ハァ……」


やっと解放された(というか、怒れって言われたからなんだけど…)私も、渚君とカエデちゃんのそばに行く。


「先生の弱点を書き溜めておこうと思ってさ
そのうち暗殺のヒントになるかもって」

「……ふぅん」

「良いね…弱点メモ……」

「アーニャだったら弱点ばっかりになっちゃうねー」

「え!?も、もう!カエデちゃん…」


いくら私でも、そんなに弱点はないよ…ないはず…本当は……。たぶん。


「……で、その弱点暗殺に役立つの?」

「殺せんせーの弱点……か、カッコつけるとボロが出る…って……」

「……」
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