暗殺少女

□第6話
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1時間目・数学


「どうしてもこの数字が余ってしまう!
そんな割り切れないお悩みを持つあなた!!
でも大丈夫、ピッタリの方法を用意しました!!

黒板に書くので皆で一緒に解いてみましょう」



さっきから…というか、学校に戻って来てからカルマ君の考えている事がよくわからなくてとても不安です。


「……となります、ああカルマ君
銃を抜いて撃つまでが遅すぎますよ
ヒマだったのでネイルアートを入れときました」

「……!!」


急に殺せんせーが誰かに語りかけるからびっくりしたけど、どうやら相手はカルマ君だったみたいで、カルマ君の方を向くと、爪がキラキラと輝いていた。


……男の子にネイルアートって…。


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4時間目・技術家庭科


「不破さんの班は出来ましたか?」

「…うーん、どうだろ
なんか味がトゲトゲしてんだよね」

「どれどれ」


殺せんせーが私たちの班に来た。

私も、鍋の中のスープをスプーンですくって味見した。

……これは…


「中谷さんはこういう時、どうしたらいいのかわかりますね?」

「は、はい」


私は、これでも家庭科は得意だ。

料理もお裁縫も大好きなのである。


「作り直したら?」


カルマ君がそんな事を言いながらやってきた。


「1回捨ててさ」

「わっ」


カルマ君が鍋をひっくり返す。

私は反射的に優月ちゃんをかばう。


だけど、何も起こらなかった。

その代わりに、カルマ君は可愛らしい花柄のエプロンと三角巾を着けてた。


「エプロンを忘れてますよカルマ君

スープならご心配なく。全部空中でスポイトで吸っておきました。

さて中谷さん、味を優しくするためには、どうしたら良いのでしょう」


殺せんせーはまた私に向いた。


「え、えと…お砂糖を加えれば……」

「大正解です!」

(よ、よかった……)


そして、スープに砂糖を加える。


「あ!!マイルドになってる!!
すごいね!アーニャちゃん!」

「ほ、ほんと?……よかった…」


私は、優月ちゃんに褒められてとても嬉しくてなんだか照れくさくなるのだった。



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5時間目・国語


殺せんせーは結構弱点が多い。

渚君に教えて貰って気づいたのだけど、結構ドジ踏んでるし、慌てた時は反応速度も人並みに落ちる。

……だけど、たとえカルマ君がどれだけ不意打ちに長けていても、



本気で警戒している先生の前では、この暗殺は無理なんです────。


今だって、カルマ君は朗読しながら歩いている先生を狙ったけど、髪の毛を整えられていた。
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