暗殺少女

□第8話
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「もう5月かぁ、早いね1ヶ月」


渚君は黒板に日付を書きながら言った。


確かに……

殺せんせーが地球を爆破するといっている3月までは残り11ヶ月

それは、私達の卒業も意味している。



「……アーニャちゃん?」


渚は突然遠い目をしたアーニャを見て首をかしげた。


「なんか…あと11ヶ月で中学生も終わりなんだなって思ったら……」


もう既に寂しくなってしまい、少し俯くとカエデちゃんが肩をガッシリ掴んだ。


「だけどまだ11ヶ月もあるんだよ!!
これからもっともっと楽しもうよ!!」

「カエデちゃん…そうだね…!」


アーニャはほんの少しだけ微笑んだ。




......................................................




「…今日から来た外国語の臨時教師を紹介する」


HRで烏間先生が言った。

すると、先程から殺せんせーにベタベタくっついていた美人の先生が笑顔になる。


「イリーナ・イェラビッチと申します
皆さんよろしく!!」

「……そいつは若干特殊な体つきだが気にしないでやってくれ」

「ヅラです」

「構いません!!」


あのう……すごくラブラブなのは分かります。
伝わってくるんですが…今は学校ですよ?
一応、先生としての態度というか……まあ、私は何も言えないんだけど…。


(…すっげー美人)

(おっぱいやべーな)

(…でなんでベタベタなの?)



皆それぞれの思いを馳せ、イリーナを見る。


「本格的な外国語に触れさせたいとの学校の意向だ
英語の半分は彼女の受け持ちで文句は無いな?」

「…仕方ありませんねぇ」



殺せんせーと烏間先生はそんなやり取りをしている。


「…なんかすごい先生来たね
しかも殺せんせーにすごく好意があるっぽいし」


カエデちゃんは最後に胸…と呟きながらイリーナ先生を見る。


────た、たしかに……!!

胸は素晴らしいほどある。

も、もしかしてカルマ君もこんな女性が好きなの!?
やっぱり、大人の魅力というか…胸というか…


私はそっとカルマ君を盗み見る。


(いつもと変わらない…)


カルマ君は盗み見ている私に気づくと微笑んだ。


(わわっ……!!)


……というか、私はなぜこんなにもカルマ君を気にしているのだろうか…。

はっきり言って、この間抱きしめられた時から胸の動悸が止まらない…。

病気かと思ってお母さんに言っても、病は病だけど病院には行かなくていいと言われ……

この気持ちは一体……


「…何のひねりも無い顔だね」

「…うん…人間もありなんだ」


カエデちゃんと渚君のそんな会話が聞こえ我に返る。

殺せんせーの顔を見ると、確かにデレデレだった。

鼻の下を伸ばすというのはこういう事を言うのでしょう。

あ、殺せんせーに鼻はないですけど。



殺せんせーの弱点D

おっぱい



「ああ…見れば見るほど素敵ですわぁ

その正露丸みたいなつぶらな瞳

曖昧な関節

私、とりこになってしまいそう♡」

「いやぁお恥ずかしい」



いやいやいや!!おかしいでしょ!!

さすがの私でもわかる…さすがに正露丸とか曖昧な関節とか…そこがツボな女性なんてめったにいません!!

騙されてます!!


……それに、こんな時期にしかもこんなに美人な先生がE組に来るとは思えない…。

きっと、皆もわかってる……

この先生が只者じゃないんだってこと…。
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