暗殺少女

□第9話
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あの後渚君イリーナ先生……あ、ダメなんだっけこの呼び方…。

だけど、心の中で呼ぶのは許してください。


イリーナ先生に呼ばれ、色々聞き出されたらしく、英語の授業中である今なおも先生は端末を操作しひとりクスクスと笑っていた。


「なービッチねえさん授業してくれよー」

「そーだよビッチねえさん」

「一応ここじゃ先生なんだろビッチねえさん」


前原君が言ったのを機に、皆ビッチねえさんビッチねえさんと言う。


「あーーー!!ビッチビッチうるさいわね!!

まず正確な発音が違う!!
あんたら日本人はBとVの区別もつかないのね!!」


ビッチ先生が言うには、私達が言っているbitchという発音だとやらしい女(性格的)、やらしい女(性的)、雌犬などの意味になってしまうらしい。

ビッチはビッチでもbitchではなく-Vic…「~の子」という方らしい…。



「正しいVの発音を教えたげるわ
まずは歯で下唇を軽く噛む!!」


ほら!!と先生に急かされ、皆で言われた通り下唇を軽く噛んだ。


「…そう。そのまま1時間過ごしれば静かでいいわ」

(((…なんだこの授業!?)))


……というか、これじゃあ唇が痺れて来ちゃうよ…。

実際、私は唇の感覚が少し麻痺し始めた。

結構疲れる……。




......................................................



ビッチ先生の授業が終わって、5時間目は烏間先生の体育だ。

以前烏間先生と殺せんせーに本気じゃないって指摘されてから、かなり自分の能力を表向きにしてきた。


「私さ、ビックリしたんだよねぇ」

「?」


カエデちゃんが着替えながら言う。

私も運動着のチャックをしめながら聞いた。


「アーニャってさ、最初はそんなに運動神経良くなかったはずなのに、この間から急に良くなっちゃうんだもん」

「あ、ああ……その事…」

「あ!それ!!私も思ってたんだけど」


着替え終わったメグちゃんがこちらに来た。

私はカエデちゃんに髪の毛をポニーテールにしてもらう。

ほんとは、自分でもできるんだけど…1回やらせてって言われてそのままズルズルと結んでもらっている。


「も、元々運動神経はよかったの…だけど、あんまり目立ちたくなくって…」


どんどん語尾が小さくなってゆく。

これはちょっと、誤魔化し方が苦しいかもしれない……。


「そうだったんだ!!私もアーニャみたいにすっごく速く走ったり木を飛び回ったり……ってしたいなー!」


カエデちゃんははい、出来たと言って私の髪から手を離した。

私はありがとうと返す。

……なんとか信じてもらえたみたい。

メグちゃんが筋肉無さそうなのにどうなってるの…と私の体を観察し始めた。


「も、もう授業始まっちゃうよ?」

「あ!ホントだ!あと3分!!」


私達は急いで校庭へ出た。

いつも暗殺向きに割とハードなトレーニングをしているせいか、かなり早く校庭についた。

殺せんせーには廊下を走るなって怒られちゃったけど…。
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