暗殺少女

□第11話
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月に一度の全校集会

E組には、気が重くなるイベントだ。


「渚く〜ん、おつかれ〜わざわざ山の上からこっちに来るの大変でしょ〜」


整列しに行こうとする渚に、本校舎の生徒がバカにしたように話しけ、去っていった。


「……」


E組の差別待遇はここでも同じなのだ。



《…要するに、君達は全国から選りすぐられたエリートです
この校長が保証します…が、慢心は大敵です
油断してると…どうしようもない誰かさん達みたいになっちゃいますよ》


校長のその言葉で、E組の生徒以外は全員笑い出す。


《こら君達笑いすぎ!!校長先生も言いすぎました》


「渚、そーいやカルマと中谷は?」

「カルマ君はサボり、アーニャちゃんはカルマ君に連れてかれたよ

集会フケて罰喰らっても痛くもかゆくもないってさ

成績良くて素行不良ってこういう時羨ましいよ」

「アーニャに至ってはただでさえ頭良くてダメなのは運動だけだったのにな…
それが本気出してないだけって、しかもそれであの可愛さ…恵まれすぎだな」

「確かに……」



......................................................




「ね、ねえカルマ君…?」

「ん〜?」


草の上にのんきに寝っ転がるカルマ君の隣に座って言う。


「集会、行かなくていいのかな〜なんて…」


それを聞いたカルマ君は、音楽を聞いていたイヤホンの片方をとって言った。


「アーニャはあんなとこ行きたいの?」

「行きたいってわけじゃないけど…一応生徒だから行かなきゃとは思ってるよ…」

「ふーん、まあいいや……俺さ、ずっとアーニャに聞きたい事あったんだよね」

「?」


カルマ君は起き上がって私に顔を近づけた。

か、カルマ君!?近いです!とてもとても近いです!!

「アーニャさぁ、本当の自分隠してて楽しいの?」

「え……」

「運動のことと言い…普通さ、本気出してないって言っても、いざ本気になったら地面抉るって相当な事だよね?」



カルマ君の言葉に無言になって俯く。


「それに、まだ俺達に隠してる事あるよね」

「ど、どうしてそう思うの…?」

「……アーニャのE組に来た理由、校長のイスにボンドぶっかけたんでしょ?
ホント、バカだよねぇ」


そう言うとカルマ君は笑い出した。

けど、すぐにそれは乾いた微笑みになった。


「そんな事までしてE組になるって、相当の理由がなきゃじゃない?

だからもしかして、アーニャは運動神経以外にも隠してる事あるんじゃないかなって思ったんだよ」


カルマ君はどうなの?と言って私の顔を覗き込む。


「……ごめんなさい…」

「?なんであやまるのさ」

「…隠してることは確かにあるの

私がE組に来た理由はただ本校舎が息苦しかっただけ…

でも、私が皆に隠している事なら、他にもある…」


私は俯いたまま静かに話し出した。


「だけど、皆にその秘密を話す勇気がない…」

「……」


カルマ君の顔から笑顔は消えた。


「ふーん…まあそんな事どうでもいいや」


そしてもう1度寝っ転がった。


「秘密がある事だけでも教えてくれたし
ね、アーニャ…」

「……なに?」


カルマ君は上半身だけを起こして笑みを浮かべる。


「膝枕してよ」
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