暗殺少女
□第18話
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昔々あるところに、日本人の男とロシア人の女との間に生まれたそれはそれは可愛らしい女の子がいました。
さらさらの白髪に、零れ落ちそうなほど大きな瞳。
道行く人が皆振り向くような、そんな女の子でした。
それに加えて彼女は人懐っこく、誰とでも直ぐに仲良くなれるような、笑顔がとても可愛い素敵な子でした。
その子の両親はとても仲が良く、娘のことを愛し、それはそれは円満な家庭でした。
ですがある時、事件が起きたのです。
その女の子は父親の仕事の影響で、日本に移住することになりました。
女の子は友達との別れは寂しいけれど、新たな土地に、ドキドキ、ワクワクしていました。
その子の母親は、自分の仕事があった為、後で日本に来ることになりました。
女の子と父親は先に2人で日本へ旅立ちました。
「なぁ、○○…」
「うん?」
父親は飛行機の中で少女に尋ねました。
「もしも…もしも父さんが人を殺してお金を稼いでいたら、○○はどう思う?」
女の子は大きな目をさらに見開き、その後笑顔で答えました。
「お父さんがそんな事をする訳ないよ!
だって、世界一優しいお父さんなんだもん!」
すると、今度は父親が目を見開き、
「そうだな、お父さん、世界一優しいもんな」
笑顔でそう答えました。
女の子は不思議に思いました。
なぜ、そのような事を聞いてきたのか。
ずっとずっと、分かりませんでした。
─────────8歳になるまでは。