万事屋少女

□第八訓
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「よかったじゃねーか
嫁のもらい手があってよォ」


銀時はスプーンを加えながら言う。


「帯刀してたってこたァ 幕臣かなんかか?
玉の輿じゃねーか 本性がバレないうちに籍入れとけ 籍!」

「それどーゆー意味」


妙は銀時の頭を掴むと、そのまま机に強打した。



「それにしても、お妙さんの家にまで来るなんて…
とんだストーカー野郎じゃない?」

「確かに…おめでとうというか、ご愁傷さんって感じだn」



ガゴン!!!

妙はまたもや銀時の頭を鷲掴みにして机に打ち付ける。



「最初はね、そのうち諦めるだろうと思ってたいして気にしてなかったんだけど
……気がついたらどこに行ってもあの男の姿があることに気づいて
ああ 異常だって…」

「ハイあと30秒」

「ハイハイラストスパート」

「噛まないで飲み込むんだよかぐちゃん、ボク達…というか、銀ちゃんは今日お金を持ってきていないんだから…」



大きな丼を両手で持ち上げ汁を吸い上げる神楽を、銀時と御影は手を叩きながら応援していた。



「きーてんのアンタら!!」

「んだよ 俺にどーしろっての
仕事の依頼なら出すもん出してもらわにゃ」



そんな事を言う銀時に、新八は冷やかな目を向ける。



「銀さん 僕もう2ヶ月給料もらってないんスけど
出るとこ出てもいいんですよ」

「ストーカーめェェ!!どこだァァァ!!
成敗してくれるわっ!!!」



すくりと立ち上がった銀時に、新八は扱いやすいねと呟く。

その後ろで汁を付けている神楽の口周りを、御影は優しく拭いていた。



「なんだァァァ!!やれるものならやってみろ!!」

「ホントにいたよ」

「なんか…ゴリラみたいな男が出てきたね」



御影は、机の下から這い出てきた男を見てそういった。



「ストーカーと呼ばれて出てくるとはバカな野郎だ
己がストーカーであることを認めたか?」

「人は皆 愛を求め追い続けるストーカーよ
ときに貴様 先程よりお妙さんと親しげに話しているが 一体どーゆー関係だ
うらやましいこと山の如しだ」

「許嫁ですぅ」



妙のその一言に、男の顔に影が刺した。



「私 この人と春に結婚するの」

「そーなの?」


銀時の腕に自分の腕を絡めて言う妙に、銀時は首を傾げる。



「えっ…そ、そうなの…?」

「御影ちゃん!?わかってるんだよね??ねぇ??」



その言葉に反応して無表情ながらもショックを受けた様子の御影に、新八がツッコむ。



「もう あんな事もこんな事もしちゃってるんです
だから 私のことは諦めて」

「あ…あんな事もこんな事も そんな事もだとォォォォ!!」


目を血眼にして言う男に、新八は背後から言った。


「いや そんな事はしてないですよ」


「いやっ!!いいんだお妙さん!!
君がどんな人生を歩んでいようと、俺はありのままの君を受けとめるよ

君がケツ毛ごと俺を愛してくれたように」

「愛してねーよ」

「オイ 白髪パーマ!!
お前がお妙さんの許嫁だろーと関係ない!!
お前なんかより俺の方がお妙さんを愛してる!!」


男は銀時をビシッと指さし言う


「決闘しろ!!お妙さんをかけて!!」
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