暗殺少女

□第1話
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(速すぎる!!)

(クラス全員の一斉射撃で駄目なのかよ!!)


「残念ですねぇ、今日も命中弾ゼロです
数に頼る戦術は個々の思考をおろそかにする
目線。銃口の向き。指の動き。
───1人1人が単純すぎます
もっと工夫をしましょう。でないと…
最高時速マッハ20の先生は殺せませんよ」

「………」


流石にマッハ20なんて殺し屋でもない私達が殺せるわけないよ…。

…そう。殺し屋じゃないから……。
なんて言ってると、またこの目の前の黄色いタコみたいな先生に怒られちゃうよね…。

実際、前にあの柔らかい触手で頭をペタンってやられたし…。


「本当に全部よけてんのかよ先生!
どう見てもこれただのBB弾だろ?
当たってんのにガマンしてるだけじゃねーの!?」


前原くんが言うと、クラスのみんなが一斉に文句を言い出した。

───私は文句なんて言える立場じゃないし、申し訳ないから黙っているけど…。

「……では弾を込めて渡しなさい」

メグちゃんはBB弾をこめて銃を渡した。

「言ったでしょう。この弾は君達にとっては無害ですが…」

先生は躊躇なく腕に向けて発砲した。

ビチビチビチビチビチ

ヒィィィィ……!!

あ、あんな…気持ちが悪いぃ……。

つまり、気持ちが悪いということは、簡単に言うと先生の触手が1本ちぎれて…まるで陸に上げられた魚みたいにビチビチとくねらせ……。

ゴメンなさい。これ以上の表現は見つかりません。


「国が開発した対先生特殊弾です
先生の細胞を豆のように破壊できる
ああ、もちろん数秒あれば再生しますが」

先生がそう言うと、また触手が生えた。

(ズリュンって、ズリュンって……!)
────気持ちが悪いです。


「だが君達も目に入ると危ない。
先生を殺す以外の目的で室内での発砲はしないように
殺せるといいですねぇ
────卒業までに」


先生は笑った。

私たちを嘲笑うかのように。


「銃と弾を片付けましょう。授業を始めます」


いつもの調子に戻った先生はそんな指示をした。





椚ヶ丘中学校3-Eは暗殺教室

始業のベルが今日も鳴ります
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