輝ける日々
□第1話「はじまりのうた」
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日向町。
都心から特急列車で約2時間半の体よく言えば海と空の美しい港町、はっきり言ってしまえば“田舎”である。
初夏のある日。ひとりの男子学生がこの町唯一の高校・日向坂高等学校に向けて自転車をこぎ、坂道を上がっていた。
??『どんだけ長えんだよこの坂……』
彼の名は石田海斗。この日からこの学校に通うことになった転校生である。
"ガシャン!!"
石田『ハァ…ハァ…やっと着いた……』
なんとか学校にたどり着き駐輪場に自転車を停め、職員室に向かう。
石田『失礼します。今日から転校してきました石田です。森野先生はどちらですか。』
森野「初めまして。今日から君の担任になる森野です。よろしく。」
石田『よろしくお願いします。』
担任の森野と挨拶を終え、教室に向かう。
森野「緊張してるか?」
石田『してるように見えます?』
森野「ウチの生徒はみんないいヤツだし、そういう風に言えるんだったら大丈夫だ。じゃあオレが呼ぶまで待っててくれ。」
そう言うと森野は教室に入っていった。
森野「はい、それでは今日からウチのクラスに来た転校生を紹介します。石田!」