I believe
□第7章
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「大方の皆の期待を裏切って舞い戻ってきました。
佐倉蜜柑、正真正銘のアリスです!」
私は教室の黒板の前で改めて自己紹介をする。隣には鳴海と副担任がいる。
「すげーー!」
「あの試験パスしたのかよー!」
「つーかあの棗さんと対決したってホントかよ!」
「どんなアリス持ってるのかな?」
教室がざわめく。
「はいはい、皆静かにー!」
鳴海が皆を落ち着けている。
...にしても。
「...鳴海先生て、B組の担任やったんや。」
まぁ、こんなクラスなら適任だと思う。
教室は先程の学級崩壊が嘘のように、皆おとなしく席に座っている。
...フェロモンのえじきになりたくないから。
「あれ?知らなかったっけ?
僕いろいろ忙しいから彼に任せっきりなんだよね♡」
「まかせないで下さい〜。」
副担任が鳴海に泣きついている。
副担任...。哀れ...。
「さてと、棗くんがまだ来てないみたいだね。サボりかチコクか...。」
あ、日向来てないんだ。
どーりでクラス荒れてないと思った。
ガチャ
誰かが教室に入ってきた。
ちょうど噂していた棗だった。
...だが。
ザワっ
教室が再びざわめく。
それもそのはず。
日向は全身傷だらけだった。
縄で縛られたあとや鞭で打たれた傷などかなりある。
さらに黒猫のお面をしている。
あれは最高ランクの制御面のはずだ。
どういうこと...?
棗が自分の席に行く前に鳴海と通り際に話す。
「あの後捕まっちゃったわけだ?
『彼』に...。」
「るせぇ。」
かなり苛立っているらしい。
...にしても、『彼』ねぇ。