小説

□1 rmxjh
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気付いてるよ、君が僕を好きな事。
気付かないかな?僕が君を好きな事。
いつだっていいのに、優しい君はいつも気を遣ってばかり。最近は僕に触れる事さえ意識してる。僕はそれがもどかしくて、じれったくて、だけどどこかでこのままでもいい気がしてる。
君とならこのままでもいい。
僕は思った時に好きって言うから、それでいいんだ。

「ナムジュナ、すき...!」
「あ...あらたまって言うのやめろって言ってるだろ。」

分かりやすく照れた後に、視線を逸らすのは見飽きない反応だ。
嬉しいくせにありがとうは言わない。なぜか今日は言わせたくて、 伸びた前髪に隠れた瞳を覗きたい衝動にかられた。

「言わなきゃ伝わらないから、思った時に言ってるだけ。あらたまってなんかないよ。」
「...ホビ、近いよ。」
「じゃあキスしよ...?」
「な...!何言ってんだ、そんな事するわけないだろ...っ」

君は顔を真っ赤にして部屋を出て行ってしまった。
距離を詰められたところまでは、すごくうまくいったのにな。
ああ、今日はだめだ。僕も男だから我慢できない日もある。
キスがしたい。君とキスがしたい。
そんな欲が頭のなかでグルグルと巡る。
柔らかそうなその唇に触れられたら、どんなに気持ちいいのだろう。

「1回くらい、させてくれたっていいじゃん。」

不満を一言つぶやいて、僕は自分の腕に軽く噛みついた。
ああ、触れたい。君に触れたい。

むずむずとする身体のままで、僕はベッドに横になった。
固く目をつむっても、忘れられない君の事。
せめて夢の中だけでも君を独り占め出来たらいいのに。

いつの間にか意識がとんで睡魔に全てを預けようとした時に、部屋のドアがゆっくりと開く音がした。
人影が近づいてきたと思ったら、僕の事を覗き込んでいるみたいだ。
ごめんなさい、今は睡魔に勝てそうにない。
僕は動かずじっとそのまま身を預けていた。

「...ホソク、愛してる」

唇にそっと触れるだけのキスの後、耳を疑うほど嬉しい言葉を世界一大好きな人に言われた。今まで、こんなにも嬉しかったことはあるだろうか。
一気に眠気が覚めた僕は、君の手を掴んだ。

「...おきてた...?」
「今おきたの。ね、もっかいしてよ」
「え、いや...それは、できない...よ。」
「できなくないでしょ?」

君の手を掴んでいた手を、今度は頬に触れて僕は君にキスをした。

-End-
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