小説
□2 jhxjm
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撮影の合間時間、控え室でずっと僕のどこかしらに触れてくる彼。たぶん、寂しがりやだから人恋しいだけなんだろうけど。
「今日はやけに僕ばかり構いますね。」
「だめ?」
「いえ、別に。でも、そんなに頬ばっかり触らないで下さい...!」
そればっかされると何だか、僕が太ってるみたいな気がしてくる。他のみんなよりも気をつけてるのに、まるで追いうちみたいだ。
「え〜だってすごく柔らかくて可愛いんだもん、いいじゃない少しくらい。」
「これは少しじゃないです...。」
「もうちょっと、もうちょっと。」
どこかに触れられれば良いなら他の所にしてくれれば良いのに...。この人のもうちょっとは長いんだよな。
僕ら以外に残っていたメンバーが呼ばれて行って、このタイミングで二人きりになった。
「...何ですかそんな見ないで下さい。変です。」
唐突に彼は僕の事を真正面から見つめてくる。
「僕、これより触れてみたい所があってね。」
「はい?」
「ジミナの唇はね、見ててずっとキスがしてみたかったんだ。」
「んっ...!?」
突然キスをされて戸惑う。
好奇心だけでここまでするのか。しかも突然だったから僕に拒否権もなかった。
「予想以上...ふわふわで気持ちいい。」
「な、なにするんですか...!!」
「そんなに動揺しなくたっていいじゃない。誰もいないんだし。」
キスをしておいて呆れた顔で僕にそう言う。
この人の中のキスってそんなにしょっちゅう挨拶みたいにする事なのか...?
「そういう問題じゃない!」
「怒らないでよ〜。そんなウブだったっけ?別に初めてじゃないでしょ?」
「それは...そうですけど...。」
そこまで言われると僕の方が敏感になってるだけのような気がしてくる。あんまり慣れない反応をするとかえって馬鹿にされそう...。
経験が多い方が良いわけでは無いけど、少ないとも思われたくない...。
そこへ、一部メンバーが戻ってきたのと入れ替わりで彼が呼ばれた。
「あ、呼ばれちゃった。後でねジミナ〜、ありがとう!」
後でって、後で何が待ってるんだ...。ひとの唇に感覚だけ残していって、何のつもりなんだ。僕も僕だ。あの人の言った通り、たかがキスの一回くらいで何意識してんだ。
-End-