小説

□3 jnxjh
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宿舎に帰ってくるなり僕の部屋に上がり込んで、一生話すのかってぐらい彼は色んな話を語り惚けた。そろそろ僕も寝たいところだ。

「ホビ、そろそろ部屋に帰ったら?」
「...ジンヒョン、それ僕にちょっと冷たくないですか?」

謂れもない事だ。こんなにも僕は彼の話を聞いてやったのに冷たいとは何だ。僕の優しさを踏みにじるような一言に動じていない素振りで返事をする。

「冷たくないよ。」
「じゃあ頭撫でてくれたら部屋に戻ります。」
「...おいで?」

彼が嬉しそうな顔でベッドに座った僕の元まで寄ってくる。
足元まで来て擦り寄ってくる様は、まるで子犬のようで、すぐにやめれば僕の脚を叩いて催促してくる。全く呆れるほど甘えるのが上手い奴だ。

「ヒョンの手は温かくて好きです。」
「そう、僕はもう寝たい。」
「何ですかそれ。だから手が温かいんですか?もう...ゆっくり寝てください!」

本心を伝えるとなんだか拗ねた様子で、でもご丁寧に僕を寝かせて布団に包ませてくる。

「ありがとう、ありがとう...。」
「おやすみなさい。」

流れで自然に僕の額にキスをして、彼は立ち上がった。

「...おやすみ〜。」

眠くなかったらもう少し構うんだけど。あと、その紳士的な行動は僕じゃない人にやるべきだ。僕は君に惚れる筈がないからね。

-End-
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