小説

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バラバラだった七叉路が一つの道になり、それまでそれぞれがどんな道だったかなんて、互いに深く知らないまま一つの終着点に向かって続いていく。
色んな事を全部一緒に経験して来たから、嬉しい事もつらい事も共有した。家族のように大切で兄弟よりも特別な友達。

苦労も苦痛も心が壊れそうになる時も、君がいて僕はここにいる。それぞれの嬉しい事は7倍で、それぞれの悲しい事は7等分。まるで魔法みたいに、君がいてくれるだけで僕は上手くいく気がする。そして、これから先も歩いて行ける気がする。

ひとたび音楽が聴こえて来れば、窮屈なこの部屋でも楽しくなって。一緒に体を動かせば不思議なくらい一瞬で心が通じ合ったみたい。その瞬間を例えるなら、降り注ぐ眩しい光のよう。
君と合わせるのが好きで、だからこそ合わなくて不機嫌になった事もあったけど、君に指摘されたからそれは隠してるつもり。ただ好きなダンスで君と一緒にいられて嬉しいから。

君に出会う前の僕じゃこんなに前を向いて歩けなかったんだよ。希望を背負って、君という一輪の花に出会った事が僕の人生の転機だった。漠然とした空想だった夢が色を付けて、だんだん答えが見えてきた。日々共有していく中で、そんな楽園がどんどん現実になっていった。君と一緒にいたから全てに意味が生まれて、ぴったり合ったリズムが、ひとつひとつの動きが、鼓動まで合った事が運命だったんだ。

「ホビ。」

呼び掛けに振り向けば、温かく僕を包み込んでくれるような優しさと、しっかり支えてくれる兄に心強さを感じた。

「ホソギヒョン。」
「ホビヒョン。」

なんて呼ばれて、兄らしく頼もしい所なんて僕以外の3人に比べたら少ない気もするけど、慕ってくれる可愛い弟達がいてくれる。だからこそしっかりしなきゃって思える。

「ホソガ。」

名前を呼ばれて君と目が合う。
君のおかげで気付いたこの気持ちはずっと繋いでおきたい。比較するなら、ダンスが好きな気持ちと同じくらい...もしかしたらそれ以上に君が好き。ところで、この好きってどんな好き?

ただ君は僕の友達、かなぁ。

「そろそろ行こうか。」
「うん、行こう。」

今日も大きな荷物に入るだけ期待と愛を詰め込んで、降り注いだ光を目指して僕達を待ってくれている場所へ飛び立った。
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