短編

□*call
2ページ/3ページ




俺は今、死ぬほど悶絶している。



通話を切ってから20分程経った頃、風間くんからメールが届いたのだ。

正直期待は薄かったのだが、もしやと思い内心ドキドキしながら受信されたメールを開いた。


「待って....これ、やばいぞ....」


添付された画像をみて、携帯を片手に口元を押さえる。

画面には、薄藍色の寝巻きに身を包んだ風間くんの姿が映し出されていた。


少し恥じらいがあったのだろう、頬をほんのり染めてやや上目遣いな風間くんがとても愛らしい。

彼の華奢な身体にしては、寝巻きのサイズが少し大きいような気がした。
無意識なのだろうが、俗に言う萌え袖とかいうやつになっている。


何なのこのコは。
あざとい、あざとすぎる。
俺を全力で殺しにかかっている。
これはもう待ち受けに決定だ。


居ても立っても居られなくなった俺は、再び風間くんに電話をかけた。






「....は、はい」


暫く経って応答した風間くんの声は小さくて僅かに震えていた。


「風間くん、すんごい可愛い....」

「う、うるさい!自分で撮るの恥ずかしかったんだからなっ!?」

「ねぇ、風間くん。もっと見せてよ」

「な、何をだよ」

「ん〜...下着姿とか?」

「ばっ、馬鹿なのか!?そんなの無理に決まってるだろっ!」

「ね、一生のお願い。愛しい愛しいダーリンの為にさぁ」

「う、うぅぅ....」


できる限り甘い声で電話口から囁くと、風間くんは渋りながら少し考えている様子だった。


「そ、そんな風に頼んでもだめなものはだめだからなっ....」

「オラさ、風間くんに会えないから溜まってんだよね〜。今だって風間くんの声で既に勃っちゃってる」

「な、何言って....!」

「風間くんも溜まってんじゃないの?オラがいない間どうしてた?まさか一人でしてた?」

「すっ、するわけないだろ!そんなはしたないこと!」

「ふぅん?じゃ風間くん、今してみてよ。一人で」

「はあぁ!?」

「オラも一緒にするからさ」

「いやに決まってるだろ!」

「あぁ〜ん。言うこと聞いてくれないとオラ寂しくて死ぬ。風間くんのせいで死んじゃう〜」

「あ、あのなぁっ!.......ったくもうっ!こ、今回だけだからな...!」

「おぉっ、さすが風間くん!ありがとござますぅ〜♡」


多少強引ではあったが、風間くんはこういうのに弱い。
押せば基本折れてくれることを知っているし、雰囲気に流されやすいことも知っている。

風間くんは何だかんだ人の頼みを断りきれないお人好しなのだ。
まぁ彼のそんなところが好きなのだけど。


「で?ど、どうすればいいんだ....?」

「ん〜、じゃまず下全部脱いで」

「....わ、分かったっ....」


止むを得ず頷いた風間くんの返事を聞いた俺は愉快げに口角を上げた。
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ