【長編】ポケットモンスター ルフェインアヴァンチュール
□第3話
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「すごいバトルだったね。思わず見惚れちゃったよ。」
「ふふ、ありがとう、ダイゴくん。でも、まさか私のラグラージが負けるとは思わなかったわ……。勝てると思ったんだけど……。」
『結構私も苦戦したよ。だけど、アポロンがしっかりしてくれていたから勝てた。』
《当然だ。俺が負けるはずなどあり得ない。アイカがいるからこそ、俺はあそこまで力をつけれたのだからな。》
『……ありがとう、アポロン。そう言ってくれて。』
あれから時間が経ち、ダイゴとアイカは、ルベライトシティにあるアリアの自宅にお邪魔して、アリアが振る舞う夕食を食べていた。
会話は昼間のポケモンバトルのこと。
お互い苦戦したや、楽しかったなどの言葉を交わしながら、ゆっくりとした時間を過ごす。
アイカの隣には、ポケモン用の食事を口にするバシャーモのアポロンがご飯を食べており、アイカの膝の上には、食事を終えたらしいエネコロロのマーラが乗っている。
「にしても、アイカちゃん……あなたポケモンと話せたのね? Nくんみたい。」
そんな彼女が、時折自分のポケモンと言葉を交わしているのを見ていたアリアは、原型のポケモンと話せたのか、と驚いた様子を見せる。
そして、いつの日か出会ったポケモンと話せる青年、Nを思い浮かべてポツリと呟いた。
『へぇ……私以外にもポケモンと話せる人いるんだね。』
まさかのBWのキャラであるNの名前が出るとは思わず、アイカは一瞬戸惑ったが、すぐに平然を装って、自分以外にもポケモンと話せる人いるんだと感心したように呟いた。
「そうなの! その時、Nくんってばなんて言ったと思う? あなたのポケモン達は、あなたのことをとても愛していらっしゃるんですね……って言ったのよ!! あの言葉は嬉しかったわぁ。私がポケモンを好いているように、ポケモンも私を好いてくれてるってわかったんだから!!」
Nの話題に食いついたアイカに、アリアは笑顔で言葉を返し、その時の喜びを彼女に伝える。
アイカはそんなアリアの言葉に穏やかな笑みを浮かべながら聞きつつ
『でも、私はポケモン全部の声が聞こえるわけじゃないよ? トレーナーが相棒と言える子の声しか聞こえない。トレーナーと深い絆を結び、強い繋がりを持つ子としか話せないんだ。まぁ、自分の手持ちの声は、関係なしに聞こえるけど。』
自分が話せるポケモンは、ごく一部のポケモンだけだとアリアに告げた。
アリアはあら、そうなの?と言葉を漏らすが、すぐにそれでも素敵だと返した。
なんだかそれが照れ臭くて、アイカはアリアから目をそらす。
親子水入らずな2人の会話を邪魔してはならないと判断して黙っているダイゴは、微笑ましげにそのやりとりを見つめていた。
しかし、不意に聞こえてきたポケモンの咆哮に目を見開き、驚いて外へと目を向ける。
同時に強い雨が降り始めた。
「あら……夜は晴れるって言っていたのに……天気予報外れちゃったわね。」
雨音に気づいたアリアは、ポツリと小さく呟く。
あめふらしの特性持ちでも姿を見せたのかしら、と首を傾げながら。
その言葉に反応したのはアイカだった。
あめふらし特性を持つポケモン……一体だけ覚えがあったのだ。
そういえば預けたまんまだった……と考えながらアイカは外に出る。
強い雨はやはり降り続いており、アイカはどんどん濡れていく。
だが、そんなことは気にせずに、アイカは急いで港へと向かった。
そこには予想通り、人が集まっている。
『あちゃー……やっぱりあの子かぁ……。』
溜息を吐きながら海の方へと近づけば、波はかなり荒れており、暗闇の中ではギラギラと金色の瞳が輝いている。
『ちょっとポセイドン!! あめふらしやめてよ!!』
その金色の瞳めがけてアイカは大声で声をかけた。
すると、金色の瞳はすぐにアイカに向けられる。
双眸で捉えた自分のトレーナー……雨を降らした存在は、アイカに一気に近づいたあと、港にある陸地にその身を乗せた。
『わ!!』
それによりバシャンと潮水がかかる。
『あのさぁ……会うたびに海水ぶっかけてくるのやめてくれない……?』
ビッシャビシャになりながら、アイカは呆れの目を向ける。
彼女の瞳が捉えた姿は、海王の超古代ポケモン、カイオーガの姿だった。
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